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冬の愛

透明な冬の朝日に猫が寄り添う。
庭園には薔薇が咲き、強い香りを放っている。
哀しみは一行詩に戸惑い、
喜びは淡い紅茶に溶け込む。

白髪の老人に猫が寄り添う。
テラスのテーブルに焼き立てのパンが踊る。
詩にはならない苦しみは
濃いめの珈琲にゆっくりと描き合わせる。

寒々しい空は新たな氷を生み
今にも降り出しそうな雪を憐れみ
立春の季節に風を流す。

遥かな歌声は春の訪れにハミングし、
庭園の灯りは不思議な感じを醸し出す。
透明な冬の愛に猫は笑う。

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