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「山登り」

「解散。今日の××時に山頂集合」
学校行事で山頂集合と言われたことはあるだろうか。


私は初めて聞いた。

登山ツアーであっても、山麓や登山口集合であることが多い気がする。
リスクが高いからだ。

目印の不足や、未整備であっては道に迷ってしまうかもしれない。
自分の体力を見誤って遅れるかもしれない。
故に山頂集合とするのは非常に危険だ。


リスクを負っても山頂集合となっているのは、
自主自律を重んじていること、
低山であり、大半の生徒が登山経験があるためだろう。

であるとしても初めてその場所に向かい、顔見知りが近くにいない生徒は
新学期二日目のこの行事は鬼畜の所業だ。

幸いにも、登山動画が存在するが
GBを食うこの行為は学生の我々には難しい。

万が一の策となる。


だからこそ、クラス全員揃わないだろう思っていた。


山は自宅近辺にあるため、一度帰宅し、装いを変えて登山することに。

登るのに時間はできる限りかけたくない。
足早に駆け登った。


するとどうだろう。
たくさんの声が聞こてくる。

徐々に狭い山頂に人が異常なほど密集しているのが見えてきた。

ちょうど整列の時間だったようで、
出欠確認が始まった。


「全員出欠」

全員が揃っていた。ありえないと思っていたのに。


初めて登る人達はちゃんと対策をとっていた。
友達を作ったり、集団に混じったり、マップを使ったりして。

これこそが自主自律の精神だと思った。

担任は「××と●●の交通手段が使えます」

そう言っただけだから。

きっと、創立者はみている。
精神がしっかりと受け継がれていること。

だって、隣にいるのだから。


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