初めての罠
こんにちは、清水です。
学生の頃に狩猟に興味を持ち、知り合いのつてをたどって猟師さんに同行させて頂いたり、鶏をしめたり、狩猟イベントに参加したりしてきましたが、できることなら自分で獲って食べたい!と思いこちらに来てから狩猟免許(わな猟)を取得し、晴れて自分で肉を得られるスタートに立ちました。
スタートに立ったとはいえ、村の猟友会の総会に参加しただけでどこなら罠をかけて良いのか、他の猟師さんの縄張りはどこなのか、所有者さんへ一声かけたほうがいいのだろうか、など暗黙の了解は全く分からない…
そこで村の猟師さんである寺下さんに半日同行させてもらい、罠を仕掛けるポイントやどんなことに気を付ければいいか、罠の仕掛け方の復習など色々聞きました。
罠設置のいろは
罠を仕掛けるにあたり、まずは場所の選定です。
まず山を散策してみて「ここなら獲れるかも!」という場所の目星をつけておく(最近動物が通った跡があるなど)
他の人の罠が仕掛けてあったらその近辺は避ける
近所の人に「あそこの山は誰の土地ですか」と聞いて回り、所有者さんを見つけて、罠をかけることを伝える
なるほど、承知しました。動物による農作物の被害に困っている方が多いので、快く承諾してくれる人が多いそうです。
次に仕掛ける罠を選びます。罠免許では 間違えて踏み抜いた動物の足をバネの力でくくる【くくり罠】と
中に獣をおびき寄せて捕獲する【箱罠】
などの使用が認められています。
私は設置も持ち運びも容易な、そして主流のくくり罠を使って狩猟を始めました。購入したのはこちら。
上の画像の者とはバネの形が違って力が弱くても扱いやすいものを選びました。罠の原理としては、
1.塩ビ管を1周するようにワイヤーをかけて、バネを圧縮して固定する
2.土にそっと埋める
3.獣が誤って塩ビ管を踏み抜くとワイヤーが外れバネの力で動物の足をくくる
あまり想像がつかないと思うので、実際に仕掛けたところを見てみましょう。
実際にかけてみよう
場所は寺下さんに「ここ使っていいよ」と言っていただいた場所。
会社のジムニーや軽トラを使えば結構な山道にも入っていけるのですが、出社前に自分の車(軽自動車)で見回りに行くと考えると、あんまりたくさんの場所には仕掛けられないなと思いました。とりあえず控えめにくくり罠を1個購入。
これが1セット。木などに固定しておくためのワイヤーと、くくるパワーになるバネと、塩ビ管2つで構成されています。
小さい塩ビ管は大きい塩ビ管にちょうど収まるサイズになっていて、小さい方の周囲にワイヤーを輪状にかけてバネの力で固定すると
こんな感じでワイヤーが止めになって宙に浮きます。この真ん中を動物が踏み抜けば、中の塩ビ管だけがすとんと落ち、ワイヤーはバネの力でキュッと縮まります。
仕掛ける場所は
草を食べた跡もあるし
落ちている糞もまだ新しくて
獣道ができているここ。
足跡もあるからこの周辺にはシカがそれなりに出現している様子。
道の中でもちょっと幅が狭くなっているところにしました。
場所を決めたら罠を設置します。
近くのしっかり立っている木にワイヤーを固定します。
塩ビ管に輪をかけた状態でバネを引き込んで、最後は動かないように固定します。
仕掛けたい場所に穴を掘り(これが結構大変だった…)
罠が土に隠れるように穴の中に配置します。
一通り仕掛けるとこんな感じ。 あとはワイヤーも土に埋めて、罠を落ち葉で隠せば
罠の設置完了!
ここにあります!
今のところ忙しい日だけ前日に作動しないように外していますが、それ以外の日は毎日見回っていますがいまだ捕獲できていません…
動物が周辺にいる形跡はあるので、周辺に追加で数カ所仕掛けたり、場所を変えたりしてなんとか1頭は今冬の間に獲りたいなあと思っています!
【余談】
西粟倉の山を歩いているとところどころで動物の骨を見つけるので私は収集してきれいにしては窓辺に飾っているのですが、仕掛けた罠の周辺にも骨が落ちていました…!これは骨の大きさや太さからイノシシではないかなと思います。
推しは背骨。直方体に収まる形の中にいくつもの曲線があり、並べるとそりゃあもうかっこいいです。
私は村内の動物・植物好きの子どもたちにぜひ生物オタクのまま大きくなってほしいという願望があるので、そのような子どもたちには地道に集めて配りたいなあと思っています。
まだあまり数はない & 自分の分として取っておきたい欲望もあるのでスローペースにはなってしまいますが、骨が欲しい方、お子さんが動物好きな方、清水までお声がけくださいませ。
(清水美波)
この記事は、百森 Advent Calendar 2021の24日目です。
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