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J-STYLE SMOOTHY

新型コロナウィルス感染拡大の第二波の予兆、全国の豪雨災害。私はコロナウィルスにより移動自粛が出た2020年3月頃から農業を始めた。どんな状況でも食っていける九州で生きて、九州に貢献した人生を送りたい。そう心で決めて、すべてその通り生きてきたつもりである。そして、コロナ時代に農業が有効と思い、農業を始めたが畑は水没して、4か月かけて作った農作物は畑で腐ってしまった。また、農業を始めて親交が深まった久留米市北野の若手農家集団も大打撃を受けた。

私は、これまで「九州は観光でめしを食っていく。」と学生時代に学んだ。法政大学の特別授業で、鹿児島県霧島にある、「天空の森」オーナーの田島建夫氏から学び、感銘を受けた。そして、就職活動でJR九州を受けて、それから約8年JR九州に勤めた。入社前、「九州観光により外貨を稼ぐ」という未来を描き、インバウンド事業を将来やりたいと思った。佐賀駅員、博多車掌区、JR九州旅行福岡団体旅行支店営業を経て、本社でインバウンド事業をすることになった。念願は叶った。毎日が楽しかった。韓国、中国の顧客を相手に仕事をするので、海外出張ばかりだった。そこで、2011年3月11日を迎えた。東日本大震災でインバウンド客が続々キャンセルになった。そして「九州は観光でめしを食っていく」という私の考えが崩れ始めた。そして、退職を考えるようになった。そういう時に一本の電話はかかった。

外資系金融機関からヘッドハンティングの電話だった。素直な性格なので、そういうのは疑いもなく嬉しかった。どこか自分の仕事が正当に評価されていないという不満があったのだと思う。そこで、セールス2年。マネージャー6年を経た。そして、今は新型コロナウィルスに伴い、これまでの仕事の在り方を見直す機会となった。そこで、大概の店は閉まるのに、スーパーの食料品売り場は閉まらないことに目をつけ、「食べるものをつくることは最強」と思い、農家歴40年の師匠に弟子入りすることになった。

農業を始めるといままでと違った世界が見えてきた。農地に立つと、まず何から取り掛かればいいかさっぱりわからない。39年も生きてきて、野菜をいつも食べているのに、農機具の使い方ひとつもわからない。種のまき方も、水をやる頻度も、肥料の調達先も何もわからない。それを60歳を過ぎる師匠は根気強く、丁寧に教えてくれた。そして、農家の高年齢化も目の当たりにした。平成30年の農業就業人口は175万人。平均年齢は66.8歳となっている。就農人口は減少傾向で、平均年齢は上がっている。あと、5年、10年もすれば私のまわりの農家さんも皆離農するのではと言っている。なので、たった数ヶ月の見習いの私に「うちも耕さないか?」というお声かけもいただく。これが実態かと思う。

これまでは、「九州は何で食っていくのだろうか?」その問いを常に探し続けた20年だったかもしれない。今回の豪雨で農業も黄色信号に思えた。私のジャガイモ畑が全滅したように、近隣の農家の皆さんも今年の雨でほぼ全滅という話をしていた。しかも日照時間が短い。改めて、水と土と太陽のバランスが大切だなということを気づかされた。

しかしどうしてもあきらめきれない。たった一回の水没で何がわかるのか?と他の先輩農家さんに怒られそうだが、また整地して種を蒔く準備をするのみと思った。大地はまた耕せばやり直せる。しかし、農作物で生きるための現金をつくるには幾分時間がかかる。

そこで、今日も豪雨災害の映像をテレビで観ていた。何もできない自分に悔しさを感じるとともに、今年2月に生まれた娘を抱っこしながら、この子たちが食べていける環境をつくるには何をすべきなのか?を考えた。

親ばかではないが、5歳の娘が0歳の娘を抱っこしている様子は非常にかわいい。「かわいい✖かわいい=とにかくかわいい」という単純公式だと思う。このかわいさ、笑顔であり続けるには何をしたらいいのか?またこの笑顔を望むのは誰か?そしたら、自ずと祖父さん、祖母さんが頭に浮かんだ。この両者を結ぶものはないか?そこで閃いたのが、「オーダーメイドスムージー」だ。これを「J-STYLE SMOOTHY」と呼びたい。まだ、読者はなんで?という状態かと思う。

漢方薬というものがある。それは、漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品の総称で、古代中国大陸においては、複数の生薬を組み合わせることにより、ある薬理作用は強く倍増する一方である薬理作用は減衰する。

J-STYLE(日式)SMOOTHYも基本的には、病気からの逆算で野菜などを配合すればいい。日本は八百の神々が凄む大地がある。そこでは、地形が様々で、ちょっとした距離で作物の出来が違う。アメリカなどがする広大地農業にはまったくといって適していない。なので、同じ野菜の種類でも、〇〇産や〇〇農家さんということや、季節の塩梅で野菜の味も形も変わってくる。極めて個性的でかつ繊細な野菜ができる。

ならば、その産地や農家などをオーダーメイドでチョイスして、そしてそれを監修する管理栄養士や料理人も選択できるようにしてはどうだろうか。

そして、最終チェックを通過したものを冷凍して、お届けする。この選択できる八百達でオリジナルスムージをつくるのだ。そして、そのつくるシナリオ(過程)はスマホでできるゲーム化して、子供がおじいちゃん、おばあちゃんのためにつくったり、その逆だったりしてコミュニケーションを図るのだ。

これは日本の国土だからできるのだ。日本全体でやれるのだ。J-STYLEオーダーメイドスムージー。そして、海外の方の注文も受けることも可能になる。災害大国日本は逆に肥沃な大地で繊細かつ個性的な野菜ができる環境がある。

もしこれがまずは九州からでもできれば、若手で就農を目指すものが増えるのではないかと思う。また、農作物の新幹線物流を実現に向けたい。例えば鳥栖、久留米から大阪まで新幹線で新鮮な状態で届けられることも可能である。そうすると、農家の販路も拡大するかもしれない。もうひとつ物流でいえば、佐賀空港に新幹線を通すと、新幹線物流と国際航空貨物のタイアップも可能となる。海外への販路だって夢ではなく、実現すべき未来かと思う。

J-STYLE SMOOTIHYが高齢化社会日本の健康意識、家族への意識、食べ物への意識、物流への概念が変わっていく。その先には世界に誇れる日本を取り戻す日が待っている。それを医療の町久留米からスタートしようと考えている。

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