マガジンのカバー画像

ひゃっほい日記

110
ちょっとした試み
運営しているクリエイター

#小説

20240716 青いヨット その2

軽快なリズムにのせてあげる。水面を走る青いヨットをイメージしながら。でも決して慌てたりは…

3

20240501 公園にて

「なるほど。確かにキミの話には一理ある。何事にも表裏がある。光があれば闇もある。ただね。…

14

20240417 二人組

二人組が家に押しかけてきた。 一人は青い作業着を着た痩せぎすの男で、もう一人は白いジャケ…

12

20240401 メ刀

「今日から君はワカルと名乗りなさい。」 そう言って、彼は真っ白な紙切れに濃い鉛筆で書かれ…

11

20240329 朝

朝の時間が好きだ。 もちろん、夜の孤独な時間も好きだが、朝の時間には遠く及ばない。遡れば…

18

20240328 羽

過去に一度経験したあの苦しみを知っているだけに今のままその日を迎える訳にはいかない。 し…

16

20240314 ロボット2

僕のロボット。 おい、子どもが遊ぶようなおもちゃなんかと一緒にしないでくれよ。いつでも僕のそばにいてくれて、僕の願うことなら何だって叶えてくれるんだぞ。 僕のロボット。 あれ、おかしいな。壊れたのかな。全然言うことを聞いてくれないぞ。ほら、命令だ。動け動け。あ、違う。僕が壊れ始めてるんだ。助けて、助けて。もっともっと一緒にいたいんだ。 僕のロボット。

20240313 ロボット

ボクはロボット。 キミに仕えるのが主な仕事さ。でも掃除や洗濯なんかはしないぞ。そんなロボ…

13

20240310 サンプルG-26⑥

「"だがね、最近思うのだよ。と言うか、この力を失う時、つまりキミに受け渡す頃合いになって…

8

20240307 サンプルG-26⑤

「それで、その紳士は間違いなく"力"と言ったのね。"力"と。」 「はい、確かに力という言葉を…

10

20240305 サンプルG-26④

「その紳士はこう言うんです。"ところで、すまないがね、キミ、私の頼みを聞いてもらえないだ…

11

20240302 サンプルG-26③

「それで、その、そうです。いつも決まって自分は同じ質問を彼にしているみたいなんです。あの…

9

20240229 サンプルG-26②

「目を瞑ると、遠くの暗闇からゆっくりとこちらにやってくるんです。いや、本当は向こうがやっ…

13

20240227 サンプルG-26①

女と男が小さなテーブルを挟んでソファに対座している。 女は五十前後だろうか、白髪混じりの長い髪を後ろで束ねており、うぐいす色のワンピースに白い貝殻のイヤリングが映えて見える。脚を組み、真正面から男の様子を伺っている。 男はまだ若く、仕事帰りなのだろう、くたびれたビジネススーツに縁のない丸眼鏡をかけている。どこか落ち着きがなく、膝の上で掌をすり合わせたり、指を組んだりしている。 「とても興味深いわね。次は落ち着いて、もう一度ゆっくり話してもらえるかしら。」 「分かりまし