暮らすように旅したいって話

ドミトリーって、アラームのかけ方難しくない？
極小の音では起きられず、電車を一本遅らせ、さらに遅らせた電車が出発する45分前に起床し、慌てて宿を飛び出した。こんなとこで、起床10分出勤の力を生かしたくはないのよ。

岡山へ向かう電車に乗る。天井にアンパンマンとその仲間たちが描かれていた。
徳島、香川と進み、本州へ。瀬戸大橋を渡るときの景色が圧巻だった。めちゃめちゃ広い、大きい、島、船、水平線。昨日じっくり見れなかった分、しっかり見ておいた。

橋には、当たり前だけれど非常用の通路が設けられていた。こんなところで下ろされたらたまらん。勝手に想像して怖くなる。

岡山に着いた。帰りの電車まで、倉敷に行って観光することにする。

商店街を抜けて、美観地区へ。休日だからか人が多い。
お昼どきなのもあわさって、どこのお店も待ち行列ができていた。街並みを見つつ、物色。自分が今何を食べたいのかを必死で考える。

なかなか決まらず、観光舟の乗船場にたどり着いた。川だ。ぜひ乗ってみたいと思って券を買いに行ったが、予約がもう埋まってしまっていた。残念。

美術館行くにも時間が足りないし、どうしたものかと考える。
ふと、通りがかったお店のメニューのオムライスに目がとまった。これだ、私が食べたいもの。そのお店はデミソースのオムライスだったが、今日食べたいのはケチャップがかかったやつ。Googleで検索したら、少し離れたところにある定食屋で食べられるようだった。そこに向かうことにする。

観光客のいない住宅街を歩く。
どうやら私は、観光地が苦手なようだ。人が多いというのもあるし、非日常感があるのも理由のひとつ。
だから、こうして住宅街を散歩しながら、たまに現れるお店を覗いたり、スーパーに寄ったり、ここに住むならこのマンションかな、とあたりをつけたりするのが好き。旅にも日常を感じていたい。暮らすように旅をしたい。

名所を見るぞ！という旅の仕方も好きだったけれど、いつの間にか、心とからだがついていかなくなってしまった。だから、たとえ海外に行くとしても、その土地で暮らすことを目的にして行きたいと思っている。なるべく、現地の暮らしをなぞった過ごし方をしたい。そんな日がくるのか分からないけれど。

途中、雑貨屋でヘアピンを買った。赤いレース編みのもの。
あの人に似合うな、と思って選んだけれど、使うのは私。

そんなこんなで、定食屋に着いた。地元の人で賑わっていた。
かた焼き卵のオムライス、美味しかったな。胡椒のピリっとした辛さが、いいアクセントになっていた。スプーンがナプキンで包まれている姿も可愛らしい。

食べて少ししたら、いい具合の時間だった。駅まで戻り、新幹線に乗る。
今まで東から西に帰っていたけれど、今回は逆。変な感じ。
新幹線車内も、たくさんの人で賑わっていた。みんな今日出発かな。どこに行くのだろう。

※サムネはオムライス。