今の高校教育について
高校の教員になり、約20年過ぎ最近いろいろ考える。民間企業から転職し、自分が学んだこと経験したことをこれからの子どもたちへ少しでも伝えていければという思いで取り組んできた。
教員として取り組んできて、一番感じたことは、「社会が求める人材の育成と教育の場で育てようとしている人材の温度差」だ。教育の現場で一番感じている恐怖は、教えるべき正しいことを教えず、大切なことをオブラートで包み、子どもたちへ伝えないことだ。今の教育は子どもたちが失敗しないように学校や文科省で枠組みを作ってしまっている。管理職は自身の評価を気にして画期的な取り組みや奇抜な取り組みに挑戦する教員を後押ししない。
若い教員が情熱を持ち、様々なことに挑戦しようとしても、それを応援し、背中を押す管理職がいくらいようか。私が教員になったばかりのころは「責任はとるから、やってみろ、挑戦してみろ」と背中を押してくれる管理職や先輩方がたくさんいた。今管理職にそこまでの器の大きい人がいったいどれくらいいるだろうか。中には知っている先生方で全国で活躍されている管理職も少数はいる。凝り固まった教育の中で挑戦ができないことが、若い人材がこの教職という職業を見放している、魅力を感じない大きな要因であると思う。
働き方改革・・・。
①部活動の指導 ②クラス経営の重さ ③保護者との関係構築これらがストレスのようなことを言っている教育関係者がいるが、この事項自体ははるか昔からあったことで、最近始まったことではない。ずっとやってきた現場の先生方はこれらの課題にも向き合い取り組んでいる。大切なことは先生方が働きやすく、挑戦しやすい環境を作れているかである。
教育委員会や都道府県の指導主事などはもっと多くの現場の声を聴き、たくさんの子どもたちの姿を見るべきであると思う。
教育の場で一番大切なこと、それは・・・
①子どもたちが本物に触れ、多くに失敗ができる環境
②教員の本物の社会体験・勤労体験
(職業体験のような簡単なものではなく、一旦教職を離れ、民間へ何年行き本当に働き、ノルマや責任のある活動を経験する)
※これをしなければ、本物の進路指導はできない。民間で働いたことがない人間がなぜちゃんとした進路指導ができようか。
③「探求」のようなぬるい考え方ではなく、社会課題や地域課題についての企業・組織連携や資金繰りなどのお金の学び、経済の学びについて・・・・だと考える。
ここ最近、いろいろ考え、このnoteの投稿を控えてきたが、ビジネスや金融の専門家、教員として私一人で社会や教育を変える力はないかもしれないが、仲間や協力者と一緒に変えていくための取り組みをしていこうと改めて感じた。そのために必要なことは伝えていきたいと思う。賛成意見や反対意見など多数あると思う。様々な人間がいるように、多くの考えがあってもいいし、そこは否定はしないが、民間企業上がりで教員をしている人間として今の教育の課題や問題点を私なりに感じたことを伝えていきたい。
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