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もりぞー生活

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日々の雑記です。とりとめもなく書きます。 (2017年10月〜)
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#詩

「朝に毒はない」なんてうそだ。

「朝に毒はない」なんてうそだ。 朝起きれば、憂鬱な夢のつづきと、ノイズにまみれた部屋から目を背けることはできない。どうしてこうも、難しいんだろうね。 だからまっさらな気持ちなんてものは知らない。「本当にやりたいこと」や「今ほんとうに食べたいもの」みたいに、そんなものは求めれば求めるほど離れていってしまう。 自分が自分であるにはどうしたらいいんですか。そうだなあ、きっとそれは、自分が自分に、近すぎるんじゃないかな。 すべての憂鬱な人へ。悩むことはそれだけでも尊いものがあ

#85 『どこまでもコーヒーの匂いがするようだ』

・ ・ ・ うそみたいな世界とほんとうみたいな世界で 歩みゆくことそこはかとなし 名前のつく人よりせめて名前みたいな人であれ 手首が痛む 壊れた電気とドーナツみたいな曇 「なんとなく」から切り出される言葉 下町みたいな部屋 昨日みた夢 捨てられていたコップ どこまでもコーヒーの匂いがするようだ

#74 『morning catastrophe』

クリスマスの朝の経済新聞は憎まれる 絶えず響く腹 「寒いて!」と激を飛ばし歩く 明け方の景色の青さにみとれる あいつはやさしいやつだ だじゃれに追い込まれる 豆腐屋がつげる朝 健康的な麻雀の顔 困る隣人 深夜の罵声 なんでこんな場所にいるんだろうか いい加減なんてものはない 車内の高揚感と 飲みつかれて眠る人よ どうやって生きるかということが問題だ 視線の先のアナウンス ふっきれろ懺悔 一生での回数は常に目の前だ

もりぞー日記 #60 『色の混じる結晶』

色の混じる結晶 ろくろに映る七不思議 いつかの上の句 忘れたころに思い出すもの 正方形になりたかった長方形の色紙 そして枕 駅前のロータリーの形 悪びれもしないことはありがたい 山の五合目より下は新世界だってさ

もりぞー日記 #63 『いつも小旅行』

いつから電車に乗ることが 小旅行となったのだろう 右耳の壊れた イヤホンをつけながら 窓から見える景色に 人がいないと 不安になるのは なぜだろう きっと部屋には いるというのに 二度と会えない 「またね」ばかりを繰り返す でも いくらか適当なのが 性分さ 名言なんてね 音楽なんてね 都合の悪いことに いくらか笑わされるのも 悪くはないね

もりぞー日記 #56 『 Rudolph in the box』

歌舞伎役者のはにかみ くりかえされることで習慣づく輪郭 黒くしめつけられたバッグ 宛てられた言葉じゃなくて語られた言葉をメールから探す人 「私は大丈夫」と検索ボックスに送る人 そういえば冬至はゆずだ 脱ぎ捨てたコート 半年のみそ イメージで語られるプロフィール 「もっと飲め」という快楽 あの交差点はバスから見るとずいぶん遠い さあ 颯爽と歌おう

もりぞー日記 #50 『リズムを刻め』

強気な父親と子2人 まっすぐな瞳はあまりまっすぐな感じはしない 駅の黒いホーム すれ違うことすらいやだという女性 街角に隠れた煙 朝支度はどこか忙しそうだ コーヒーが飲めないけど作りたいのはなぜだろう 見えない境界について今日も決めあう 足のとれたイスはどこか幼い感じだ 心配して損したというのはたぶん真実 広告の一過性 病は気から 感情をゆすれ 間違えるなという街外 どこまでいけばいいんだろう リズムを刻む 忘れたくないから忘れられそうにもない 今日も思いをはせながら銭湯の前

もりぞー日記 #45 『風の広げかた』

・ ・ ・ いつかはまた いつかがあればいい そう おもっている きっと この言葉は いま あなたの言葉で語られている やさしい声で 風はときに 迷ってしまう どこへいったら どんな音で広げたら いいのやら いいのやら 考えながら 考えることはやめよう 考えながら 誰かが考えていたときのことも そしてときには 闇夜を切り裂こうとするようにペダルをこぐ きれないものだから 仕方がない そこで 参ってしまった 風は 参ってしまった どうだろう そうやって

もりぞー日記 #40 中国には4つの辛さがあるんだってさ

なんだか寒いから朝起きるのがつらい でもいつも一日が終わるたびに早く起きればよかったと思う 身体を動かす 風邪をひいているけども歩くというくらいは のどもせきも鼻水も タイピングのときの小指 いつもちゃんと押せないE付近 ヘッドホンをつけずには歩けないことと つけないときに好きな歌を思いつくままに口ずさめるのはトレードオフ カオスは意外に身近だ 敏感なやつほど傷ついているのがかわいそうだ 米は重い コロッケだけが妙に安い 給料日が毎日でもたぶんしばらくはつらい 中国には4つの

もりぞー日記 #39 『今日という日』

・ ・ ・ 今日という日は という日は 難しいとばかり とばかりに 歌う うたう 分からないあなたは 「あなた」として それという言葉は 「それ」として まだ どうしようもない それで どうしようもある どうしよう としても いいじゃないか いいやつなんだから また歌ってほしい なんでもいいから ほしい いつも 明日のことばかり いつも 自分のことばかり あなたは迷って迷って また なやむ なやむ私は かえって なやまない きっと そんなもんだろう もし 明

もりぞー日記 #36 『休日の街角は対比ばかり』

電車の外から子どもに手をふる警備員 休日の街角は対比ばかり コピーライターという人柄 いやになったらやめちゃえばいいよ 動く論点 そばかうどんかの論争 寒い落ち葉 どうにも山の形ばかりが目に入ってしまう のどがずいぶんと痛い 眠いときほど起きていたい 同じポイントで笑えること 同じではないということがきちんとあきらめきれていること あの童話の話をまたしてしまっても きっとそれは今日の話のような気がする

もりぞー日記 #34 『色のちがいは繰り返す前提』

・ ・ ・ 色のちがいについて尋ねる少年 いつだって思い出すのは電車の中のこと 「わかりあえない」という前提でしか僕らはわかりあえないのだとしたら きっと何もかもをあきらめるということもそれほどわるくはないはずだ 美しいもの 目をふさぎたくなるもの  共通点を探してしまうけれど 自分では見つけようのないもの 年齢の違いについての話はそろそろ無駄だとおもうから  これまでの履歴は消してしまいたいくらい だからせめて矢面に立っていたいと願う 忘れることも覚えるこ

もりぞー日記 #31 『本と、ほんと。』

本には物語がつまっていてまるで人みたいだ なにやらもっているだけで心強いし 一緒に携えていられれるということがうれしい 本は選り好みをされる 新品の本こそ 手垢にまみれたとなりの本がうらやましくおもう 昔はそれだけ向き合った言葉に 自ら向き合えるという喜びだけで本を読んでいた 内容なんてわからなくても ただそれだけがうれしかった どうしたってイメージではあるのなら たぶんそのイメージの色あいにすべてがかかっているのだろう どうしたって立ち止まってしまう言葉があるのな

もりぞー日記 #29 『神社にて』

神社の空気は手触りがある 空が近しいのに包まれている感じだ 鳥居をくぐる 石畳をまたぐ 脇に隠れた猫が顔を出して見遣る 前で手を合わせている人 それをとなりで待つ人の姿の印象 振り返った景色をみて 急に空気が軽くなったように感じた