鳥が飛んでるのは空じゃない、と言った友達
202X年の春。私は、何もかも消沈していた。
食欲消沈。仕事消沈。ぜーんぶ消沈。自分だけの話じゃないので詳細は書けないんだけど、とにかく意気消沈祭。もういっそ、私ごと全部消沈してしまえ。そんぐらいのテンションだった。
ある日、仕事仲間のYさんが、心配して連絡をくれた。
「まずは息抜きに、小田原へ行きませんか?
友達がやってるいい宿があるんですよ」
「行きます」とすぐに返事し、夜行バスを予約。Yさんと会って喋りたかったし、行ったことのない、私のことを誰も知らないまちに