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眠レナイ夜ニ

昔からなにか自分から我儘を言うということをしてこなかった気がする。あくまでも気がする、だけど。真っ当な人生なんて何も歩んでいなくてただ周りが喜ぶように争いにならないように過ごしていた。弟が病弱でおとうさんにもおかあさんにも会えなくても寂しがる様子はみせなかった。小2で共働きになって夏休みひとりで日中留守番をするようになって、おかあさんに笑顔で「いってらっしゃい」を伝えて車が見えなくなってから毎回泣いていた。でも少しでも褒められたかったから色んな家事を覚えてこなしていた。クラスでの校外学習とかの班決め、女の子の決まったグループに所属していなかったからいつも余ってしまいみんなを困らせていた。結局いつも男の子のグループに誘ってもらって事なきを得ていた。でも、修学旅行では面倒を見させられていた子とどうしても同じ班になりたくなくて初めて「嫌だ」と言った。それはそれは揉めた。クラスメイトに死ねと言われた。私は我儘を言ってはいけないんだと思った。中学でもクラスで浮いている子を押し付けられ面倒を見た。そのせいでいじめも受けた。誰も助けてはくれなかった。部活動では女の子が集まると生まれる独特な雰囲気を見ないように、すぐ機嫌が悪くなる子の機嫌をとりながら練習をしていた。校内試合でその子が劣勢になると舌打ちされ睨まれる、負けるとなるとグループ内で陰口。そんなことは当たり前でそれが嫌でわざと負けたりしていた。そうしていたら最後の大きな大会のレギュラーメンバーに選ばれなかった。その子たちはサボったりもしていたのに。私は毎日部活に出て、怪我をしてもマネージャーみたいなことをしてまで行っていたのに。顧問に「次の子達からは校内ランキング以外の部分もちゃんと見て決めるから」「本当にごめんね」と言われた。本来なら選ばれるはずだったのかなと、ペアで選ばれなかった子とずっとずっと誰もいない体育館で泣いた。高校では、同じ中学の子がいちばん少ない所を選んで小中に比べれば平穏にすごした。でも身体はおかしくなっていた。そして、とうとう今になっては心も壊れてしまった。最近、毎日のように夜になると暴れたい衝動に駆られる。ものを壊したい。大声で泣きたい。叫びたい。でも出来ないから我慢する。と言うより、出来なくなってしまった。だから自分を痛めつけてなかったことにする。唸ったり、泣き真似をする。それで誤魔化している。私は甘えることを許されていない。ため息をつきたくなるくらい面倒な人間だ。自分を痛めつける、と言っても上手くできなくて心配すらされないし。跡が残らない傷など意味が無いのだろうか。死にかけるぐらい傷つけないと気にかけては貰えないのだろうか。色んな人がいるところで大声で泣き出したりしないとわかって貰えないのだろうか。いつもわらっているから、あかるくふるまっているから、いけないんだ。いま、自分が何をしたくてこれを書いているのかはわからない。なんなんだろうね、ぼくはみんながうらやましい。なんてね


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