凍る夜(短歌集)
ツイッター凍り飛ぶ鳥も落ちる夜これは訓練ではない
休暇もらいて生家に帰ったばかりに空襲に遭った友の話 祖父の心は幾度とあの日に帰りぬ
永遠なんてあるわけないぢゃんと少女の食べるアイスクリーム地に落ちて溜まりをつくる
プリクラが止めし時間刻まれた片がゲーセンの片隅に ほら
これは麻薬ですという風体をしてストロング系チューハイコンビニに並ぶ
スマホ触りつつ工事音に耳を塞ぐどこからかブリオッシュのかおり
さっちゃんにだけ教えるねと祖母から託されし仏壇の奥の記念貨幣
その昔遺髪を用いしモーニングアクセサリーといふものありき ブリーチで乾いた髪なびかせる
祖母の見る昼ドラに少し不適切シーンがあって少し箸が止まる
季節めぐります少なくとも花の数だけ言葉はありし日本という国
本当に、本当にロボットではないか インターネットに実存を問われる深夜2時
パなくね?と言えばパないねと返す人との生ぬるしい優しさ
想像上の娘まで捏造してガチャガチャを回す。ああまたシークレットだ。
一旦止めとこう 手を鳴らして誰かがそういうことを告げる時を待っている
むくむくと太りゆく吾もしかしてこれが健全ということ
想像上のオルカは白い腹翻して我の前を横切らん。殺し屋の腹が柔らかそうだ
いつまでも減らない口紅をくるくると回して残量確かめまた仕舞う
終わらせることは簡単だけれども始めるまでにこんなにかかった労力は惜しい
新作のアイスクリームが出る季節になりました。キャラメルソースと冬の大三角形添えて。
キャラメルといれると一発でキャラメルポップコーン弾ける。夢の国は甚だ近し。
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