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アラサー女が一週間でマッチングアプリを挫折した話

マッチングアプリを始めて一週間、理想の男性に出会うことなく挫折した。

たった一週間と言えど、アラサーには痛い時間のロスである。

すべての原因は、「マッチングアプリさえ使えば、簡単に誰かに出会えるんだろうな」というような、ふんわりとしたイメージでアプリを始めた自分にある。

現実はそんなに甘くはなかった。

アプリを始める前、私にとって一番の難関は以下の二点になるだろうと予想していた。

1. プロフィール作成(面倒だから)
2. 会った男性と交際関係になれるかどうか(コミュ障だから)

しかし、実際のところ、私にとって最大の障害は別にあったのである。

面倒なプロフィール作成を、なんとか気合いで乗り切った後のことである。

スマホの画面に並ぶたくさんの男性たちの写真を見ながら、私は思った。

いったいこの中の誰に、「いいね」をすればいいのか?

私の使ったマッチングアプリでは、女性と男性の双方から「いいね」をすることでマッチングが成立するというルールになっていた。

つまり、男性から私へだけではなく、私からも男性に対して「いいね」をする必要があるのだ。

画面をスクロールしながら、瞬きを極力減らして男性たちの写真を次から次へとチェックしていくが、自分が誰に「いいね」をしたいのかまったく分からない。

みんな、知らない人だ。当たり前だけど。

適当に何人か選び、プロフィールを読んでみる。

そうか、この人はスポーツ観戦が趣味なのか、この人はお酒が好きで、この人は旅行が好き、この人は休日は映画を見て過ごしている・・・。

それで??

多くの男性が、仕事や趣味に充実した毎日を送っているのが分かって喜ばしい気持ちにはなったが、結局誰に「いいね」をすればいいのかは分からなかった。

全員、良さそうに見える。

表示されている人数が多すぎるのかもしれないと思い、フィルターを設定しようとして、ようやく問題の本質に気がついた。

私には、自分がいいと思う「理想の男性」の基準がない。

そのアプリには、年齢や身長など、豊富な項目が絞り込み条件として用意されていたけど、私はどの項目で男性を絞り込めばいいか分からなかった。

思えば、もともと私は恋愛にあまり興味がない人間で、小学生の頃から女友達との恋バナがとても苦手だった。

モテないので、あまり恋愛経験もない。

恋愛に頭を悩ます時間が少なくてよかったものの、いざ恋愛を始めようとしたときに、どんな相手と付き合いたいか真剣に考えたことがないのは、大きなビハインドだ。

仕方がないので、私に「いいね」をくれた人に「いいね」を返してみた。すると、メッセージが来た。

メッセージ画面のイメージ

「初めまして!いいねありがとうございます。よろしくお願いします!」

おお、こんな感じなのか。

記念すべき初メッセージに感動しながら、私も「よろしくお願いします」と返した。

しかし、そのあとのやり取りをあまり覚えていない。(※この話は半年ほど前のことで、アプリをすでに削除してしまったため)

おそらく、知らない相手とメッセージをやり取りするモチベーションが続かず、また相手もそれほど私に興味があったわけでもなかったため、なんとなくフェードアウトしたのだろう。

この時点で私はアプリを見るのを止め、なぜ上手くいかないのか考えてみた。

自分から男性に興味を持たないとだめだ。

私が異性に興味を持つきっかけって何だろう?そもそも私は、どんな理由で男性と交際したいのだろうか。

恋愛にも結婚にもあまり興味がない。それでもマッチングアプリを始めたのは、自分ひとりで生きるより、誰かと一緒の方がきっと楽しいと思ったからだ。

つまり、自分が幸せに生きるためだ。

私が幸せになるために、どんな男性が隣にいてくれたら嬉しいだろうか。

二日ほど考え、いくつか思いついた条件を紙に書きだしてみた。

  • 一緒にいてなんとなく居心地がよいと感じる

  • 人を愛する方法を知っている

  • モラハラやDVをしない

  • 女性嫌悪がない

以上が、私が男性に求めるもの、ということになる。

反対に、私にとってどうでもいい条件とは、以下のような項目だった。

顔、年収、資産、仕事の内容、年齢、身長、体重、学歴、趣味、国籍、etc.

上記の項目については、私の幸福感に多少関係する部分はあっても、大きな影響を与える項目ではないと感じた。

自分の理想の相手の条件を書きだしてみて思ったことは、この条件に合う男性をマッチングアプリで探すのは、できなくはないが大変だろうなということだった。

なぜなら、私のスクリーニングの条件がマッチングアプリでは検索できないからだ。

特に、「一緒にいてなんとなく居心地がよいと感じる」などは感覚の問題であり、実際に会って話してみないと分からない。

それなりの規模の街に住んでいると、アプリに表示される男性の数はとても多く、フィルタリングせずにしらみつぶしに会う必要があると思うとげんなりしてしまった。

モラハラ、DV、女性嫌悪などはメッセージのやり取りなどで分かるかもしれないが、メッセージをするためには誰かに「いいね」をしなければいけないのだ。結局、誰に「いいね」をすればよいのかという問題に戻ることになる。

「人を愛する方法を知っている」という条件については、説明するのが難しい。

私が育った家庭には少し問題があった。両親は私を愛していたが、それだけでは上手くいかなかったのだ。間違った人間関係は、その距離が近ければ近いほど、檻のない牢獄のようになってしまう。

愛する相手の意志を尊重すること、相手の個性を認めること、愛する相手に暴言を吐いてはいけないこと等を理解している人がいいなと思った。それを「愛する方法を知っている」と表現した。

ただ、この条件についてはアプリであれどんな出会いであれ、交際が始まってしばらく経ってからでないと分からないことだろうと思われるので、交際初期にはあまり関係がないかもしれない。

そもそも私が男性から愛するに値する人間であるか、という問題もある。

私が求める理想の男性について、一言で表すと、性格的に相性のいい人ということになるだろう。

性格が良いとか悪いとかではない。優しい人、とも少し違う。

一緒にいてしっくりくる人、だ。

そして、アプリの画面からは一緒にいてしっくりくる人、は分からないし、それ以外の条件でわたしが「いいね」を押すこともないので、私にマッチングアプリを使うことは無理だったのだ。

一日何人など適当にピックアップして「いいね」をして、数を打てば求める人物に会えるのかもしれないとも一瞬考えた。しかし、知らない人とメッセージのやりとりをして会うまでの流れを複数こなすほどのモチベーションが、そもそも保てない。これは本当に自分の問題だと感じている。

ここまで読んで、「もうアラサーだから、焦らないとすぐに歳をとって誰にも選ばれなくなるぞ!」と思った皆さん。心配してくれてありがとう。自分でもそう思う。

でも、誰でもいいから付き合ってほしい、結婚して欲しい、とは思えない。DVやモラハラをされたり、自己肯定感の下がる付き合いをするくらいなら一人の方がマシだと思ってしまう。そういう人間関係は、親との関係でもうお腹いっぱい。

こうして私は、誰にも会うことなく、一週間でマッチングアプリを挫折することになった。

マッチングアプリ自体は悪いものではないと思うが、私には合わなかった。

というか、私が面倒くさ過ぎる性格をしているのだろう。

マッチングアプリを使って一週間。結果的には、アプリではなく、リアルの交友関係を広げて、話したときのフィーリングでいいなと思う人(そして、いいなと思ってくれる人)を地道に探すしかないのかなという結論に達した。

このnoteの冒頭で、一週間の時間のロスはアラサーには痛いと書いたが、良かったこともある。

自分にとって幸せな生活とは何か、どんな相手であればより幸福になれるのか真剣に考えたことである。

恋人と一緒にいるときの幸せの本質について突き詰めて考えると、その相手と一緒にいて自分が自然体でいられること、一緒にいて楽しいと思えることが私にとって一番重要なことだ。

私は本気で幸せになりたいので、そのことが分かってよかったと思う。

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