学生指揮より「あと1日」
皆さんこんにちは、今回プログラムの1曲を指揮する学生指揮者です。私は「喜遊曲第5番」という当団永久名誉指揮者である川越守先生が1977年に作曲された曲を指揮します。この曲は喜遊曲の名の通り楽しげな音楽で、随所に遊び心が感じられます。詳しい解説や川越作品についての思いはプログラムに書いたのでぜひ当日客席で読んでみてくださいね。
ではラスト1日ということで何を書きましょう。
明日皆さんとお会いする北大オケと学生指揮について少しでも知っていって欲しいと思います!
学生指揮と聞いて皆さんはどんな印象を持つでしょうか。学生なのに指揮?指揮者ってプロの大人じゃないの?と思われる人も多いと思います。確かにそうですね、指揮者をやりたいなんて言う学生はアマチュアではなかなかいません。中学生の時に間近で見た指揮者の魅力に憑りつかれてはや8年、ずっと指揮を振りたいと言ってる僕は変人なのかなって最近思います笑。
学生指揮の魅力って何でしょう。一言で表すのが難しい問いです。あえて言うなら「自分を含めた全員がプレーヤーになって音楽を創れる」という点です。皆さんの想像通り、プロの指揮者ってカリスマで音楽の知識や経験も膨大で、客観的な立場から全体を率いていけるすごい人なわけです。じゃあ僕は? 残念ながらそのどれも持ってないんです。でもそれが楽しいんですよ。なぜかというとプレーヤーになれるからです。プロの指揮者はある意味監督です。素晴らしい手腕と経験によってチームを勝たせてもフィールドには入れない。一方、学生指揮はインフィールドのプレーヤーだと思っています。プロの指揮者に見劣りしたとしても、一人のメンバーとして演奏者と共に成長し同じ立場で前を向くことができます。全員がプレーヤーとなって目標に向かって駆け抜ける、文化祭みたいな青春をステージのど真ん中で味わえるのが学生指揮の魅力だと思っています。
学生指揮に必要な能力って何でしょう。これは僕個人の信念ですが、「夢を描く力」だと思います。北大オケには努力できる人がたくさんいます。音楽に詳しい人もたくさんいます。その中で学生指揮者ができることは、オケのど真ん中で途方もない夢をぶち上げることだと思います。団員がそこに向かって頑張りたいと思えるような夢を語ることです。僕はこれまでの3年間、「1曲目からスタンディングオベーションにさせる」とか「歴代のすべての演奏を超える」とか大層なばかり言っていました笑。でも、今回は違います。今の夢は【いい思い出を作る】ことです。これまでと比べると随分スケールダウンしてしまったと思うかもしれません。ですが、この言葉にはちゃんと意味があります。
なぜ北大オケは演奏するのでしょうか。お金のためではありません。自分を幸せにするためです。誤解の無いように言っておくとこれは「自分が楽しければそれでいい」という意味ではありません。お客様と喜び共有し、音楽を極めたその先に「今生きているこの瞬間を最高の思い出として残したい」という団員の強い思いが存在するという意味です。北大オケのように毎年代替わりをしてしまう楽団にとって、団員でいられる時間なんて一瞬しかありません。ステージで感じる一秒一秒を、自分が何かに熱中した青春の記憶として残したいと思うのは素晴らしい夢じゃないですか。いい思い出を作るために全員で努力して音楽を突き詰めた結果、演奏でお客様を感動させ喜びを共有することができます。そしてお客様が喜んでくださった事実がまた良い思い出を作ります。このモチベーションはアマチュアの特権だと思います。お金のための演奏には出せないエネルギーです。自分を幸せにできない人間に他人を幸せにすることはできません。
最後に、僕から見た今年の北大オケについて話します。今年の北大オケは間違いなく自分を幸せにできるオーケストラです。打算ではなく、純粋な好奇心とお客様への音楽を通じた貢献欲、そして今この瞬間への情熱に溢れています。最初はいろいろな方向を向いていた団員も、練習期間の中でそれぞれの動機を見つけ「いい思い出」を作り続けています。北大オケが自分を幸せにできるオーケストラということは、他人を幸せにできるオーケストラでもあります。明日は全員がプレーヤーとなってお客様と最高を共有したいと思います。
大きな夢を持ったオーケストラによる、学生の熱い音楽を一度聴いてみませんか?
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