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十一句連作 「びちびちち」

  びちびちち

カワセミや空の青さを吸い上げる

シャー芯に紙やぶれたり梅雨じめり

こがねむし防犯灯にびちびちち

酷暑こそロリヰタ闊歩して練馬

洗ひ髪乾く窓辺や長電話

水飴でからめとりみる黄金虫

芋虫がわたしを買ってと歌舞伎町

赤りんご速度制限なしで剥く

そぞろ寒柿の種の艶ねたむ

雪女活字にされてのぼせきる

読初は道に落ちてたえっちな本

國學院大學北海道短期大学部「句歌会」に所属していた際にみんなで作った『ツキハレ。』に載せた雑句をちょこっとなおして組み立て直したものです。
春の句が一句もないですね、はるなし𓆏

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