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第8回|答案の組み立て方②|まとめ|保護者のための中学受験作文講座



はじめに

こんにちは、個別指導ハリー・サポーターです。この講座『保護者のための中学受験作文講座』は、全10回で、ご家庭で知っておいてほしい・取り組んでほしい作文対策について、ご紹介するものです。

このコンテンツは、記事型SNS『note』にて原稿を、『YouTube』にて動画を公開しております。宜しければ、どちらもご覧くださいませ。さて、内容に入っていきましょう。

作文における『まとめ』の重要性

作文における『まとめ』は、非常に重要な役割を果たします。これは、中学受験の『作文』に限ったことではありません。『小論文』でも非常に重要な答案要素です。

そして都立中の出題趣旨では、『課題文からどういうことを学んだか』ということが明記されるケースがあります。明記されていなくても、そういうことを意識して、課題文が選ばれているのが通常です。これは、公立中高一貫校でも共通です。

ですから、『作文対策』では、『まとめ』を上手に書く訓練も、非常に重要となります。

『まとめ』には『行動改善』を書く

『まとめ』の書き方を、よく分かっていない人は、意外に多いものです。

塾講師などでも、理解があやふやな人は少なくありません。「第一段落で書いた内容を上手に書き換えて…」なんて説明をする先生もいるようですが、それは大間違いですから、無視しましょう。

『まとめ』には、『課題文を読んで、それを踏まえて、今後自分がどう行動していこうと考えたか』について書くようにしましょう。簡単に言えば、『行動改善』です。

人間関係に関する課題文を読んだとしましょう。今まで、こんな風に行動してしまっていた。でも今後は、こんな風に行動できるようになろう。こういう答案が、ベストな構成です。

環境問題に関する課題文を読んだとしましょう。今までこんな風に考えていた。でも、それは間違いだった。今後は、このように考え、このように行動していこう。こういう答案が、ベストな構成です。

まとめは先に考えておく

ところで、多くの受験生は、まとめを行き当たりばったりに書くケースが多いです。でも、このコンテンツを見た方は、そんな答案の作り方はやめましょう。

作文答案の順番は、『主張⇒体験⇒まとめ』です。ただし、答案構成を『主張⇒体験⇒まとめ』で考えてしまうと、上手くまとまらなかった場合に、『体験』を考え直すことになります。こうなると、時間の無駄が大きいです。

そこで、答案構成を考える順番は、『主張⇒まとめ⇒体験』にしましょう。『主張』を考えて、どういう『まとめ』にするか考えて、それをつなぐ適切な『体験』を考える。そういう順番で考えるようにしましょう。

先に『まとめ』を考え、『まとめ』に向かって一貫性のある構成にする。そうすることで、作文全体の論理性が、効率よく確保できます。

まとめを制する者が作文を制す

『主張⇒体験⇒まとめ』まで、違和感なくスイスイ読めた答案は、決して悪い評価にはなりません。適切な『まとめ』は、採点者に安心を与えます。

一方、『主張⇒体験』まではスイスイ読めたけれども、『まとめ』で引っかかってしまった答案は、あまり良い評価にはなりません。『まとめ』がしっかりしていないと、『主張⇒体験』がスイスイ読めたことも、『たまたま』に思えてしまいます。

このように、『まとめ』を制する者は、入試作文を制します。

『まとめ』にこだわった指導は、世の中ほとんど見かけません。でも、重要な答案の要素なんです。しっかり訓練しておかなければなりません。

それではまた!

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