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【目指せ中級ハンター!➀】
記事の目的
今月、私の住む町ではいよいよ増えすぎた鹿の駆除(春と秋、二回あります)が始まりました。
鉄砲を撃てる期間は厳格に決まっており、シーズン初めは得てして射撃に慣れていなかったり、現場での動きや道具などに不備があったりと、反省するところが多いのですが、これは逆に言うと、これから狩猟を始める初心者以前のハンターさんや私のような初心者ハンター達にとって有用な学習教材になるのでは!?と思い、共有することにしました。
恐らくビギナーハンターは皆同じ道を歩むのではないかと思います。
消える死体たちの謎
さて、第一回の今回のテーマはこれです。
最初に結論を言っておくと
アナタが撃った鳥や四つ足動物は、結構な確率で回収までの間に消えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1695136225910-KGmkanVNSD.jpg?width=800)
これはどういう事かと言いますと、死体の捜索・回収は容易ではないという事です。文字通り消えてしまうことさえあるのです。以下にその詳細をお教えしましょう。
獲物の捜索の難しさ
突然ですが、想像して下さい。
80㎏の成人男性がいて、25cmの高さの牧草地で彼がかくれんぼを仕掛けてきたとします。
アナタは彼を見つけられるでしょうか?
「簡単だよ!」
と思うでしょう。実際簡単だと思います。しかし相手が80㎏の鹿の死体の場合そうはいかないのが現実です。
草地で撃った鹿は大体弾がヒットした場所から離れた場所で倒れます。
鹿は脱力し平たくなり、射撃した位置からだと見えなくなります。
すると不思議なことに、倒れている場所を目視しているにもかかわらず、近くまで行くとその場所にいなかったりするのです。
これは実際近くに鹿はいるのです。
ただし本当に小さな起伏の向こうに倒れていたり、少し周りよりも高い草が生えているところに倒れこんでいたりすると、たったそれだけですぐ近くの鹿は消えて見えなくなってしまうのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695136317807-SEGwcjGFeK.jpg?width=800)
この鹿は見えません
例に出した25cmの草ならまぁ時間をかければ見つかります。
ただしこれがひざ丈の草地、はたまた腰の高さまである笹薮の中ならどうでしょう?
ほんの数メートル先の鹿の捜索に何十分も、時には一時間以上もかかることが本当にあるのです。
野生動物の生命力
先程、鹿は撃ったところから離れて倒れる、というお話をしました。
当たり所が良くても強い雄鹿なら数十メートル走りますが、もし当たり所が悪かった場合、数キロ先まで逃げます。その場合回収は不能です。諦めるほかありません。
この状態を狩猟の用語で「半矢」と言います。
半矢の鹿を作ることは基本恥ずべき事です。半矢にしてしまった鹿はどこかで死にますが、回収は出来ないことがほとんどなので、ただ無駄に殺したことになってしまうからです。ハンターは「これなら確実に獲れる。半矢にならない。」と確信を持てるショットしかしてはいけないのです。
ただし、そうはいっても今まで山ほどの半矢を作ってきました。言い訳になりますが、それほど鹿は強いのです。
後ろ足の骨を折って三本足になった鹿
腹に当てて腸管をベロ~っと出して血が噴き出してる鹿
当たった瞬間のけぞって倒れてバタバタしている鹿
肺に穴をあけて呼吸困難になった鹿
前足、肩甲骨を砕いた鹿
今あげたのは今まで私が回収できなかった鹿達です。
それ以外にも、ボロボロになるまで弾丸を叩きこんだのに逃げられ、回収に何時間もかかった鹿は数知れません。
![](https://assets.st-note.com/img/1695136365683-sL811YqYcB.jpg?width=800)
これだけの生命力を持っているので、例え倒れたとしても、死んだと思っても実は人がいなくなってからスックと立ち上がり、スタコラサッサと逃げていく個体が結構な割合でいます。
特にショットガンを使うとそういうことがよく起きます。
一度車に戻って回収の道具を持って鹿の元に向かうと忽然とその姿を消しているなんてことはザラなのです。
こうして、鹿の死体は「捜索の難しさ」と「実は絶命していなかったパターン」という二つの理由であなたの前から消えてしまうのです。
次の記事では、そうならないような工夫をお話したいと思います。
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