私が一銃一狗を目指さない理由
おはようございます、よりよりです。
いつもご覧になって頂き、ありがとうございます。
狩猟、それも猟犬を伴った猟銃での大物猟(特にイノシシ)では一銃一狗といって
1人の鉄砲持ちの猟師と1頭の猟犬で獲ることがステータスである。
といったことが昔から言われています。
猟銃を所持している、またはこれから所持しようとしている方は、特に耳にしたことがある方も多いはず。
ですが、私ははっきり言って目指しません。
逆に、なぜ一銃一狗を目指すのかが分かりません。
猟犬の猟芸や血統的に一頭で使った方がいいから
ということであれば、分からなくもないですが
それならば猟芸の伝承がないわけですから、またイチから育てなければいけません。
分かりやすく言えば、今いる猟犬を一人前(一犬前?)に育てるため、多くの努力をしたことでしょう。
そのまま引退を迎えたとして、また最初から子犬を育てるとなるとかなりの労力が必要となります。
また、獲れる確率も一頭よりも二頭の方が高くなるでしょうし、それよりも三頭の方がさらによくなるでしょう。
※それ以上となると注意が必要です。
いやいや、猟芸的に一頭の方がいいんだ。
ということであれば、引退を迎えた猟犬とこれから育てようとする猟犬との間に最速でも1年のブランクが生じます。
猟師にとって1年間(1猟期)ほとんど獲れずに、育成に集中する時間はもったいないです。
いやいや、次世代の子犬を先導犬につけて訓練するんだ
ということであれば、もはや一銃一狗ではありません。
あと、イノシシが獲れた時を想定しなければなりません。
40〜50kgクラスでも1人で山から下ろすとなると、かなり大変です。
それが80kg〜クラスとなると1人では下ろせないので、現場での解体となります。
日が高い頃、獲れればまだいいのですが夕方近くに獲れた場合、真っ暗な中、電気を灯しながらの現場解体となりますし
寒い中、時に雨や雪が降り出した場合…、もうこれ以上書かなくても想像つきますよね。
また、イノシシを山から下ろす際、必ず、猟犬が噛みに行きます。
下ろしている方向に引っ張ってくれるならまだしも、大抵逆側に引っ張るので下ろすに下せません。
ですので、一旦、車まで犬を連れて帰ってまた現場に戻り、イノシシを下ろすことになります。
それがすぐ下であればいいのですが、イノシシはどこで獲れるか分かりません。
獲れた時を考えて複数人での巻狩り、グループ猟をした方がハッキリ言って楽です。
もちろん猟師によっては「へんこったれ」(偏屈な人という意味)もいますが、そこは都合よく付き合い、いかに楽して獲るかを考えるべきです。
そういった人との付き合いや、獲れた場合の肉の分配などに不満があるかもしれませんが、私は巻狩りやグループ猟をオススメします。
ちなみに私がお世話になっている猟隊は、勢子(猟犬を連れて山を歩いてイノシシを探す役割)は必ずしも自分の車に帰る必要はなく
下りた場所まで車を回してくれます。
イノシシが獲れた場合は、イノシシを下ろす人、猟犬を連れる人、車を回す人など皆が手分けして下ろします。
持ち帰って解体するんですが、勢子、猟犬、実際に獲った人など関係なく、参加した人、全員均等に肉を分けます。
私はこのルールに共感していますし、猟隊にはいわゆる「へんこったれ」な方がいないので、これからもお世話になろうと思っています。
そういったことから、私は一銃一狗は目指さないわけです。