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食費をなくす⑦そのかわり酒代は上がっていないか

もの言わぬ臓器が、もの言おうとしている。

というのも、なんかこう、左右の腰の後ろあたりが引っ張られている感じ。心当たりはひとつしかなく、お酒だと思う。近藤誠さんの本「医者に殺されない47の心得」(アスコム)によると、1日に缶ビールだとロング缶2本までは、酒は百薬の長レベルとのこと。でもぼくは、来る日も来る日もロング缶2本、つまりビール1リットルに加えて、焼酎をグラスで2杯〜3杯と日本酒をグラスで1杯飲んでいる。

ごくたまに酒を飲むことをよす日をもうけると、翌日はすこぶる体調がいいので、酒が原因であることは明確だろう。しかし、昨日も今日も、仕事がひと段落するとついつい飲んでしまうのは、酒を飲まないと仕事の疲れが癒されないと思い込んでいるからか。あるいは、酒を飲まないと延々と仕事をしてしまうからか。そんなわけあるか。

酒を飲むと楽しくなれると思い込んでいるだけ。と、町田康さんの本「しらふで生きる」(幻冬舎)に書いてあり、ほんまそうなんやろなと実感もしているのに。それでも酒を飲んでしまうって、なんかもう、僕はだめだと思っていて、酒を飲むのをマジでやめよう、どうすればやめられるかな、ということばかり考えています。

アル中かと言われればもちろんアル中で、その証拠に、中嶋らもさんの本「今夜すべてのバーで」(講談社)には、アルコール中毒テストなるものが掲載されていて、何個以上チェックしたらアル中みたいなテストで、そのチェック数を大幅に上回ったのは20年ほど前。それからほとんど毎日酒を飲み、酒を飲まない日は10あるかないかだ。だ、じゃねえ。

どうすれば僕の場合は、酒をよすことができるのか。
その方法は未だ見つかっていない。

ただ、これだけはしても無駄、という方法は、経験上、知っている。

それは、なんぼ酒をやめたいからといって、家の人とかに「今日は酒を飲まない」と宣言すること。いわゆる「言うたからにはやめんとアカン」みたいな作戦である。でも、考えてみたら、気でもふれたか、と聞きたくなるほどの愚策っていうか、なんか自分の首絞めすぎちゃうか。と思う。だって、「酒を飲まない」という超難題に加えて、「有言実行」という本来なくてもよかった宿題を自分に課せてしまっているからである。「バカ?」と言うタカさんの声が聞こえる。すげー聞こえる。

このような有言実行禁酒の落とし穴は他にもあって、それは、「今日は飲まへん」と言っておきながら飲んでしまうほうが、なんかおもろいんちゃうかと思ってしまう人間の性である。とはいえこれは各ご家庭の雰囲気、ひらたく言うとノリというものがあるので一概には言えないが、我が家には突っ込み気質の妻がいるので、「飲んでんのかーい」と突っ込まれ、わはは、となればもう終わり。「今日は飲まへん」と言ったことのほうが嘘のようになってしまう。

ということは、有言実行禁酒より、無言実行禁酒のほうがまだいけるんじゃないかということになる。要は、黙ってやれ、ということである。結局、どんなことでもそんな気がする。前もって誰かに相談して、「そんなんやめとき、無理やって」って言われてテンション下がるより、誰にも相談せずに黙ってやってみて、お、なんかええやん、って思うほうがワクワクするし、結果的にうまくいくのかもしれない。

朝から大豆畑の草むしりと土寄せをし、達成感のあまり缶ビール3本をあけた土曜日の昼下がりに。

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