見出し画像

継続できる人、できない人。

タラノメ

継続するということについて、よく考える。自分は以前、ほぼ日の「今日のダーリン」という糸井さんが毎日書いている文章を、ほぼ日手帳に写経するということを約3年間続けていた。ぼくがあてもなく2000字を書けるのはそのときにガリゴリとボールペンで糸井さんの文章を書きまくっていたことに何か要因のようなものがありそうな気がする。

糸井さんの文章の上手さというよりも、あの人の考え方のようなものを少しでも身につけられたらと思って、文章を読むだけじゃなくて書くこともしはじめた。これを毎日続けていればいつか「ほぼ日」の人に見つけられて、何かおもしろいことが起きるんじゃないか、というようなことも妄想した。でも結局3年でやめてしまった。終わりは突然に、というよりは徐々に終わっていったのだった。毎日写経をしていたのが1週間に1回、7日分の今日のダーリンをまとめて書きまくる、というようなスタイルに変わっていってしまっていた。ひとつの文章を書くのに大体15分はかかる。そうすると、2時間弱ずっと書き続けることになる。だんだんと「これではやってる意味がない」と思い始めた。そこから「もうやめよう」になるまで、4ヶ月くらいはあったと思う。それくらい時間がかかったのは、やめると、これまでやってきた3年間が無駄になるような気がして怖かったからなのかもしれない。

では本当に無駄になったのかというと、そうでもない気がする。写経をしたことで、もしかすると、文章を書く時のリズム感みたいなものを少しは身につけられたのかもしれない。頭で覚えているというよりは、身体であの人のリズム感を覚えているような感じ。そういうイメージが自分の中にあるのは、とても素敵なことだと思っている。

でも、やっぱり自分が真似するべきなのは、自分で考えて、自分の文章を書くということだったと思う。糸井さんの真似をするのではなく、自分が毎日書いてみる。写経をやめたときに、そう考えて自分でもやってみた。でも、それも毎日は続かなかった。継続するということは、想像以上に難しい。あの人は20何年も毎日今日のダーリンという文章を書き続けている。そして僕がパステルを始めるきっかけになった坂口恭平さんという人も毎日絵を描いて文章も書いている。僕とあの人たち、何が違くて継続ができないんだろうか。なんであの人たちにできて、俺にできないんだろうか?

坂口恭平さんのTwitterの投稿を見ていたらその答えのようなものがあった。それは「書きたいことがない、という人は、書きたいことがないということが今書きたいことだ」というような話だったと思う。僕はそのことばを見て、すごく嬉しく思った。それならなんでも書いてよくなるじゃん、って。何かについて書こうと意気込むけれど、パソコンを開くと何も書けなくなる時がある。じゃあ、なんで書きたくなくなったんだろう、ってことを書いてみればいい、と。そんな文章誰も読みたいと思わないかもしれないけど、それでもいい。自分が書きたいし、継続したい、って思ってるんだからそれでおっけーだと。そのうち何個も書いていれば1000個に1個くらいの確率でめっちゃいい文章が書けちゃったりするかもしれない。誰かに読まれることよりも、自分が書きたいから書くのだし、継続したいから書く。そういうことをあの人の投稿から勝手に受け取って、自分も絵を描き始めたりだとか、こうやって文章を書くようになったのだと思う。

闇アイコ

「狩猟採集民の絵」というテーマで書き始めた時、自分が書きたいことよりも、自分の描いた絵のちょっとした解説をする、というようなイメージで文章を書き始めていた。でもそれは、僕の書きたいことではないなあ、と思って2000字何かについて書く、ということに一気にシフトした。できれば絵にちなんだ話になったらおもしろいけど、そうじゃなくてももはやいいだろうと思っている。だいたい文字では伝わらないと思って絵にしたのだ。だから絵はそこにあるだけでいいはず。そうやって自分が何も考えずやり始めたことと、底の底にある自分の考えみたいなものが徐々にクロスしていくことが、すごくたのしいし、うれしい。たぶん、すごくいい感じなのだと思う。

本当にありがたいことに、2000字にシフトしてから、マガジンを購入してくださる方が増えたのも、自分が本当に伝えたいことが伝わり始めた結果のような気がしている。2000字にして文字は増えたはずなのに、読んだよ!という感想をいただけることも増えた。なにかすごく大きなヒントがある気がする。「頑張ってます!!」「応戦してるぜ!」だけではない、中身のあるつながりが出来てきているのだろうか。30日間これをやり続けたときに、何か答えのようなものがわかったらいいなあと思う。

ここまでnoteを読んでいただき、ありがとうございました。
また明日もやってますよー。

ここから先は

0字
もしいい絵があればマガジンを購入していただけるとめちゃ嬉しいです。 お金は絵の額縁代として使用します。詳細は「はじめに」を読んでいただければ。

秋田県の阿仁という地域の絵を「狩猟採集民の絵」として載せています。 さっと見ていってください。 6月16日〜7月15日まで、毎日朝7時更新…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?