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狩猟採集民の絵

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秋田県の阿仁という地域の絵を「狩猟採集民の絵」として載せています。 さっと見ていってください。 6月16日〜7月15日まで、毎日朝7時更新。 ※7月15日追記 マガジンの販売は…
もしいい絵があればマガジンを購入していただけるとめちゃ嬉しいです。 お金は絵の額縁代として使用しま…
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#毎日

好きなおじさん#1 営林署臨時職員/ぜんまい採り

秋田県に移住してからおじさんには大きくわけて二つのおじさんがいることに気づけた。「いいおじさん」か「きもいおじさん」である。もうこれでもかというくらいくっきりはっきりと分かれる。中間は存在しない。きもいおじさんはとことん気持ちが悪いし、いいおじさんはとことんいいおじさんだ。僕の絵の額縁を作ってくれている「おおしまさん」という70歳近いおじさんがいるのだけれど、やっぱりとことんいいおじさんで、昨日Twitterで「おおしまさん」のことについて呟いたら僕の小さな界隈ではちょっと大

「思いやること」と「気を遣うこと」は違うよね

自分の趣味を人に押し付ける人って嫌な人ですよね。いやあ、はい、すいません。押しつけたわけではないんですけれども、私、妻を釣りに誘ったことがあって。 自分は釣りが好きなので、妻にも好きになってもらえたら一緒に釣りも出来て楽しいし、いいなあーという結構軽いノリで、ちょっと今日一緒に行ってみませんか?みたいな感じでお誘いしたことがあったんです。 一緒に行ったはいいけど、ほぼ初めての渓流釣り体験だったから、すっごい苦労して山を登ってたんですね、妻。事前に山に行くための必須道具も揃

ザバーッ

仕事で魚釣りに行く。魚が餌に食いついて、グイッと糸が引かれる。それに合わせて手をクイっと上げる。うまく合わせられれば、針には返しが付いているのでちょっとやそっとじゃ針は取れない。魚がぐいんぐいんと住処に戻ろうとする。その力に100%逆らって陸に上げようとするのではなく、かといって100%持っていかれるわけでもない、ちょうどいい塩梅の力加減で魚の引きの強さを楽しむ。魚が疲れて落ち着いてきたら、ちょっと力を入れて(でも優しく)魚を回収しやすそうなところに上げる。「ああ痛かったねえ

山は美しい。

妻に「美しいものを思い浮かべるとしたら、何を思い浮かべる?」と質問されたことがある。僕は「きらきらしたもの」と答えた。居酒屋のグラスたちが光に反射してキラキラと輝いているところを思い出す。一方妻はというと「山かなあ」と答えた。そうなんだーなんかいいなあと僕は言った。素直に「羨ましい」と思った。 妻は秋田の生まれで、こどものころからいつも山を「ふと」見上げていたのだろうなと想像する。通学中も、何かの祭りの最中も、家を出てひとり都会に行く時も、秋田に戻り仕事に就いてからも、そし

熊の手

僕の住んでいる「阿仁」という場所はマタギ文化の発祥の地と言われています。香川県高松市生まれの僕は、この「マタギ」に惹かれて阿仁にやってきた移住者です。マタギと熊は、かつみとさゆりくらい切っても切り離せない関係で(なんでこの例えが思い浮かんだのだろうか)、曲がりなりにも阿仁の絵をこれから見せていくものとして、熊を見せねばお話にならねえべ、と言われてしまうようなそれくらい特別な生き物なのです。 マタギをやっていると自然に熊に対して興味が湧いてきます。山の急斜面をその手足で駆け上

はじめに

突然なんですが、これから30日間、毎日Note記事を投稿します。もちろん理由があります。 今日から31日後の7月16日、17日に「とわだこマルシェ」というマルシェイベントがあります。そのイベントに友達のお米農家、坂本寿美子さんに一緒に出店しませんか?と誘っていただきました。誘ってくれたことが嬉しくて、「参加したいです!」と答えました。でもすぐに気づきました。僕にはまだ出品する商品が何もないことに。「あ、でも僕、何も売るものないです!笑」と付け足すように返事をすると、寿美子さ