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ホームレスで得たもの その1

「古今東西!生き物の名前!ヽ(`Д´)ノ!」
と、突然言われて『人間』と答える人は少ないと思う。
たぶん人間は生き物とか動物って意識が普段ないからじゃないかな。

なんでホームレスになったかってのはとても長いお話で今回は省きます。
今はもちろん違うし、なってた期間も3週間ぐらい。そのうち1週間はネットカフェで夜を過ごしてたから正確にはネットカフェ難民だったと思います。
ホームレスと聞いてどんな印象を持ちますか?
不衛生・汚ちゃない・負け組…いい印象はないですか?
誰にもおすすめしないしやりたくもないだろうけどいい経験でしたw

さて、noteって始めたばかりでよくわからないことだらけなんだけど、文章を読んだり書いたりするのが好きな人って想像力が強いと思うのです。
note利用してる人もたぶん読むのが好きでなにかを得たい人と思います。
なのでオレの書くものはほぼ実体験なので、ぜひ感じて読んでほしいです。

「Don't think! Feel.」by Bruce Lee

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流れ着いたのは兵庫県明石市。神戸の隣ですね。
写真は舞子公園から見た明石海峡大橋。当時2008年5月頃です。
ある理由があって明石に来て、寮付きの派遣社員になろうとしてました。
その前の年に夜逃げして八王子と茨城で新聞配達、横浜で新聞拡張団(拡張員)、道路工事の飯場(工事関係者の宿舎)にいたりしました。
今はどうかわかりませんが、当時は訳アリで住所不定(住民票がない)のニンゲンでも住み込みで働けるところはありました。
派遣会社も同じようなもんです。まだ有効期限内の運転免許もあったので条件にさえ合えばすぐ入寮・仕事にありつけました。
ただ横浜の飯場から単身神戸に乗り込んだ時期が悪かった。
一応上の学校も出ていてまともな職歴もあるのでどこの派遣会社の面接でもパスしますが、ちょうど4月の下旬だったので受け入れ先の工場や会社がゴールデンウィーク突入で、5月の中旬まで仕事も入寮もできない。
すぐ決まると思っていたので5万円持って神戸のビジネスホテルに滞在していたけど、3日で出ることになりました。手持ちはもう2万円です。

食べるだけなら2万円で3週間、一日約千円ならなんとかなります。
けど寝泊まりする場所がない。
ネットカフェならナイトパックで夜9時から朝6時まで900円で泊まれ、シャワーも使えます。ところがフリードリンク以外食べ物はありません。
それと派遣会社から連絡があった場合の交通費などは確保しておかなければなりません。よくよく考えれば働きだしても最初の給料まで生き延びる費用も必要です。そう考えると最低でも1万円は残しておきたい・・・。
結果ホームレスしかなかったのです。

4月の下旬とはいえ夜はとても寒く野宿はとても無理でした。
生きていくにはこの大都会でサバイバルしていくしかありません。
24時間営業のコインランドリーで洗濯のフリして椅子で寝たりしました。
けど監視カメラやパトロール、本当のお客さんであまり休めません。
寒かったけど落ち着けて過ごせたのは公園の多目的トイレでした。
本来は障害のある方のためですが、暖房便座がありがたかった。
暖房便座のつながってるコンセントで携帯の充電もできました。
雨の日はネットカフェです。朝6時に出るとその足でマクドナルドに入り、朝マックを注文。二階のカウンター席でゆっくり食べそのまま寝ます。
午後2時頃、当時は100円でチョコクロワッサンなんか売っていたのでそれを追加します。コーヒーはお替り自由だったので朝マックのカップで…。
そしてまた夜9時まで寝て、雨ならばネットカフェへ。

のちに見たネットカフェ難民のドキュメント番組で、24時間のツタヤのようなレンタルビデオ店で立ちながら寝る人を見た時泣けてきました。
とにかく夜をどう過ごすかが課題でした。
昼間は暖かで、もっぱら明石駅駅前の明石公園のベンチで寝ていました。

この時、ヒトも生き物、動物なんだなと体感したのです。

それまでは駅や公園のベンチで昼から寝ているホームレスを見かけると、気楽なもんだなとか働けよ怠け者!なんて目で見てました。
ただ、実際自分がなってみると昼間寝ているのは道理があるからです。
まず空腹を感じないのと無駄な体力を消費しないためです。
犬や猫もそうですが、野生動物ってそんな感じしませんか?
ヒトって余計なもの取っ払ったら普通に動物なんだと。

映画『男はつらいよ』シリーズ、見ていた人ももう少ないでしょう。
主人公のフーテンの寅さん。フーテンとは職業に就かず、異様な風体で盛り場などをふらつく人。 また、家も定職も持たず、放浪生活をする人のことだそうで、本来の意味は漢字で「瘋癲」と書き、精神の状態が正常でないこと、精神疾患を持つ人のことを指す言葉なんだそうです。
昭和の日本人はこの寅さんを愛し憧れていたのです。
テキヤ商売で日本中のお祭りや縁日など気の向くままに旅をしてる自由人。
高度成長時代を支えた日本人には実際にはできない暮らしだからこそ憧れたと思います。

社会生活の当たり前や制約がない状態がホームレス。
食欲と安心して寝る場所の心配だけの毎日。
すべて取っ払う、無くしてしまえば誰でもヒトと言う名の動物です。

自分がまず得た教訓は『ヒトも動物だ』ということです。

自由になる方法ってホームレスになること?ではないですw
それではそれをどう踏まえたらどう今の生活に役立てるのか?
次の機会でまたお会いしましょう('∀`)ノ!



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