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ヲタクの落とし穴『ファッションセンターいまさら』その③ 

ヲタクの落とし穴

さて、VANの定番アイテムであり、オヤジのマストアイテムでもあるスウィングトップ。
別名オヤジジャンパーと言われ、有名無名を問わずアパレルメーカーが出しており、このタイプのジャンパーやブルゾンと言われるものはピンからキリまである。

ちょっと調べるとわかるが、スウィングトップとはVANの創業者である石津健介氏が考案、命名した呼び名で、ゴルフのスウィングをしても袖が引っ張られたりお腹が出たりしない余裕のあるジャケットと言うところと、ジャズのスウィングのようにウキウキするトップスといった意味が込められている。
ただし、世界中のセレブやただのオヤジも着ているのは全部VANのスウィングトップではない。
そもそもスウィングトップは石津健介氏が考案した和製英語であり、同じく同氏が考案したトレーナーやスタジアムジャンパー(スタジャン)と同様に世界では通用しない。
スウィングトップも元々はVANのオリジナルではなく、元があるのだ。
イギリスで作られた軍用ジャケットが元で、ゴルフの時用に作られたバラクータの(『ダ』ではない)ハリントンジャケットG9やG4である。

画像はあちこちからお借りしています。

世界中のセレブが愛用してるオヤジジャンパーのほとんどがバラクータで、特にアメトラ、アメカジの見本、スティーブ・マックイーンは、今では廃盤で入手困難な「マックイーンストーン」というオリジナルカラーのバラクータG9があるほどで、英国紳士、皇族のプライベートジャケットととして着用されている。日本では高倉健さんがプライベートで数着持ってて着ており、永遠の若大将加山雄三の普段着でもある。

画像はあちこちからお借りしています。

さて、もうひとつはアメリカのマクレガー(マックレガー)のドリズラージャケットである。小雨のことをドリズルと呼ぶらしく小雨でも過ごせる雨具的な要素を兼ねそえたジャケットである。原型はバラクータのハリントンジャケットと思われるが、ドリズラージャケットが一躍有名になるのは永遠のハリウッドスター、ジェームス・ディーンが映画で着用したからだ。

白Tにブルージーンに真っ赤なドリズラージャケット。当時の最高にカッコいい不良ファッションである。紳士やセレブ、オヤジがバラクータのハリントンジャケットであるなら、ナウなヤング(死語)はマクレガーのドリズラージャケットという図式が出来上がる。VANの石津健介氏はアメトラ、アメカジに精通していてアイビーファッションを日本に取り入れた方だから、スウィングトップの原型はマクレガーのドリズラージャケットの流れが強い気がする。

で、ヲタクの落とし穴とは?

ネットのおかげもあり、きのうきょうファッションに首を突っ込んだオレでもこの程度のウンチクは語れる。
ヲタクを昔はマニアと呼んでいて、特定の物事に物凄くこだわり、圧倒的な情報量でウンチクを語ると言うw
そしてもうひとつ、ヲタク、マニアには特性がある。
それは収集癖でありコレクターになりがちなのだ。

そう。自分にとってヲタクの落とし穴とは、ファッションに興味を持って間もないのにすでにコレクター化してしまっている点である( ̄▽ ̄;)

次回につづく


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