ホームレスで得たもの その2
睡眠。寝るという行為。
前回の経験で、それまで持っていたイメージと違う意味を持った。
それまでは睡眠とは体を休める行為であり、会社や学校で眠くならないように、または疲れを残さないように寝るって感じであった。
ただホームレスになった時思ったのは、寝てると空腹を感じない点。
あれこれ考えたり悩んだりしないという点。無駄な体力を消費しない点。
ホント動物と同じで合理的な睡眠の利用法だったと思う。
さて、ゴールデンウィークも終わり、ようやく入寮できることになった。
わずか三週間ほどのホームレス生活だったが、劇的な変化があった。
それはゲームのリセットボタンでリスタートした感じ。
いや、ゼロスタートしたと言ったほうがわかりやすいだろうか?
屋根がある!電気がつく!水が出る!好きな時にお風呂に入れる!
このなんでもないことの感動がわかるだろうか?
普通の家庭に育ってきたからずっと当たり前に思ってきたことである。
ありがとうとか感謝する気持ち、頭ではわかっているつもりだったけど、まさに身を持って体感したのだ!
このアタリマエのことをシアワセに感じることの喜び!
ちなみに、手持ちなく始まった新生活ですが、寮は1LDKで、冷蔵庫・洗濯機・TVなどの家電、布団は用意されていました。しかも寮費無料。
おまけに入社祝いとして配属先の社員食堂のプリペイドカード1万円分いただけたので、休みの日もこっそりご飯だけ食べに行ってつなぎましたw
それまではいいことねーなぁとか毎日つまんねーなとか思ってたオレ。
けどあたり前と思っていたことに喜び感謝できるようになった。
当然みなさんは経験がないのでこの感覚、なんとなく想像しかできないと思う。実際ウワーッ!と体の中からくる喜び。電気がついただけで。
給料が出て、少しずつモノが増えていくのも喜び、シアワセである。
さて、夜逃げして一時的とはいえホームレスになったオレ。
誰にでも当てはまるものではなく特殊な体験と思うだろう。
夜逃げに至った理由はいずれ書いていこうとも思っているが、大事なのはこれを読んでくれてる人に教訓とか参考になるかどうかです。
ホームレスになったときの参考ではもちろんないよw
夜逃げって自殺の一歩手前だと思っています。
何かに悩み苦しみ、その限界で自殺される方がいます。
一方夜逃げも何かに悩み苦しみ、自分の存在を無くすことです。
住民票がなくなれば住所不定です。運転免許も更新できず、国民健康保険すらありません。自殺が死ならば夜逃げは無なのです。
自殺する勇気がないから逃げたんでしょって人がいるかも知れません。
けど、自殺に勇気もなにもありません。
なんで生まれてきたんだろう?生きるのが辛く苦しくなった時、誰もが考える答えのない質問です。答えがないのが正解で、見えないからです。
ホームレスになってヒトも動物なんだとわかったと前回書きました。
野生の動物は手負いになっても生きることを諦めません。
群れから離れ、人目のつかないところで傷が癒えるのをじっと待ちます。
それが癒えることなく死んでいく、または天敵に襲われるとわかっていても自ら死を選ぶことはないです。
どうしようもなく辛く、苦しく、悩んだ時。
夜逃げという方法もあるって話ですが誰にでもできることじゃないですね。
じゃぁ日常生活を続けたままどう折り合っていけば良いのか?
ホームレスから社会生活に復帰し、現実に戻ってきた時、また人間関係や社会生活のための制約が目の前に出てきました。
けど、この体験は生きるのをラクにしてくれていました。
次からは自分なりに掴んだ『変化』をもたらす方法についてです。
またお会いしましょう('∀`)ノ!
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