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たたき台を作る人が一番大事だよ!という話

こんにちは!「ゆっくり、いそげ」がコンセプトのお仕事応援プロジェクト「sloth」のプロデューサーをしているワープくんです。

今日は僕がチームで働く時にいつも大切にしている「たたき台を作る人が一番大事だよね」という話をしたいと思います。

たたき台ってなに?

このnoteでは「たたき台」を「議論の起点となるようなアウトプット」と定義しています。

具体的には以下のようなたたき台があります。

  • MTGのアジェンダ

  • webサービスのワイヤー

  • 企画書

わかりやすくビジュアル化している必要は必ずしもなくて、究極手書きのものや、テキストの箇条書きでも良いです。

たたき台を作る人がなんで大事なの?

たたき台の最大の役割は「議論の起点となる」ことです。これは議論をする時のあるあるなのですが、何もたたき台がない状態だと、メンバー各々が考えていることが微妙に食い違っていたり、想像しているアウトプットが異なっていたりすることが多いです。最初の議論はただ認識を合わせるだけで終わってしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか。

そんな時にたたき台があることで、「この部分はあっている」「この部分は少し違う」のような、認識の基準を作ることが出来ます。また、たたき台は正解(あっていること)を示すだけでなく、不正解(あっていないこと)を示すためにも重要です。

なので、必ずしもたたき台の時点で完成度の高いものを作る必要はありません。むしろ、チームメンバーが意見を活発に出せるためには、少しツッコミどころがあるたたき台の方が良いです。人間の思考の癖として、0から自由な意見を出すよりも、「特定の物事が合っているかどうか」に対する意見を出す方が楽です。

これは余談なのですが、「議論中に実行可能なアイデアの中から一番良くないものをあげることで、参加者から反対意見を引き出し、議論を活発にする」という手法もあります。これは「ランチを何にするのか決める時にとりあえずマクドナルドを提案すると誰かが反対するので、議論が動き出す」というところから、マクドナルド理論と呼ばれる理論です。

「意見を出すきっかけとしてのたたき台」を作ることは議論を活発にするうえで、とても大事だということを説明してきましたが、たたき台というのはその性質上、「ツッコミを入れられるもの」であることが多いです。たたき台という名前なので、叩かれるものなわけですね。そうすると、「たたき台をせっかく作ってきたのに、なんで叩かれないといけないんだ…」と思ってしまうことがあります。議論をしているメンバーも、たたき台を作ってくれた本人を叩いているつもりはなくても、なんとなく自分が作ったものに色々ツッコミを入れられると気分が落ち込みます。

もちろん、「行動と人格は切り分けられるべきであり、指摘されているのは行動のみなのだから落ち込む必要なんて全くない!」という正論を伝えることも大事です。それでも反射的な感情として「指摘された=自分が未熟」と思ってしまうことが多いです。だからこそ、チームの文化として「たたき台を作る人が一番大事だよね」という文化を作っておくことが重要だと考えています。叩かれやすい立場に自ら進んだ人間はその行動を誇るべきだ、という考え方になります。

たたき台というアウトプットに対してはきちんと是非を議論するが、「たたき台を作る」という行動自体は常に手放しで称賛する文化を作っておいた方が、チーム全体の行動量を増やし、挑戦する人を増やせます。

良いたたき台ってどんなもの?

個人的に考える「良いたたき台」の条件は以下の3つです。

  1. 粗くても良いから早く出る

  2. 議論をしたくなる余地がある

  3. ロジックは甘くてもパッションがある

1.粗くても良いから早く出る

たたき台は議論の起点になるものです。なので、議論を早く始めるためにも、「早く出る」ということは大事です。綺麗で完成されたものではなく、粗くても方針が示せるぐらいのものをできるだけ早く出すことで、チーム全体が早く議論に入れるので、早いということは重要です。

完成度が高いものの方が議論が良質になるのでは!という意見もあるかもしれませんが、たたき台はたたくものです。叩かれた結果方向が変わる可能性が大きいものの完成度を高めることは却って手戻りが多いです。

2.議論をしたくなる余地がある

たたき台は決定事項ではなく、議論事項です。なんの議論の余地もないたたき台はたたき台と呼べません。また、ただの議論事項の整理でもありません。議論の起点となるものなので、間違っていても良いから何かしらの方向性を示せていることが重要です。さらにいうと、議論に参加するメンバーが「何か言いたくなる」ようなものだと、より良いです。メンバーの意見を最大限引き出すためのたたき台です。

3.ロジックは甘くてもパッションがある

ロジックはある程度最適解があるため、議論をして多くの人に詰めてもらうことで、ブラッシュアップができます。むしろ、たたき台に本当に重要なのは「パッション」の部分かもしれません。多数の意見の集合ではまとまらない、個人の熱量のようなものをたたき台に入れることで、議論の方向性を絞ることができます。細かい部分はチーム全体で叩いてブラッシュアップすることを前提に、自分なりの熱意や思いを込めてみるのが、良いたたき台です。

まとめ

というわけで、「たたき台を作る人が一番大事だよね」という話をまとめてみました!

僕は自分がたたき台を作るときも、チームの誰かがたたき台を作ってきてくれた時も「たたき台を作る人が一番偉いですからね!」と言い張っています。叩かれるものを自ら作るのは結構つらいですが、一番大事なのはチームを前に進めることだと思うので、チームで議論することが多い方は是非たたき台に挑戦してみてください!

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