レシピの読み方 3 塩補足

1:塩味の調味料いろいろ

前項で塩そのものについてご説明したと思いますので、今回は派生して塩味を主とした調味料についての補足を記載していきたいと思います。
めちゃくちゃ期間があいているので文体が異なっていたら申し訳ない。

塩は人体に必要なもので、塩味の調味料はそれこそ世界中に山ほどあるので、今回はご家庭によくあるタイプのものだけ。それだけでもだいぶ違うかなと思います。ご家庭でよく見る塩味調味料は以下の通り。
・醤油
・味噌
・ハーブ塩(スパイス塩)
「えっなんでここで説明するんだ?」みたいなものもあると思うんですが、理由があるのでのちほど。

2:調味料の考え方について

まずわかってもらいたいことが1つあります。それは「例えば全面的に塩の代用として醤油を使ってもいいわけではない」ということ。
多少代用が利くことはありますが、種類が違えば完全上位互換の調味料というのは存在しません。
醤油の風味が邪魔になる料理もありますし、塩だけだと料理自体が成り立たない料理も存在します。
これに関しては正直勘としか言えないので申し訳ないのですが、少なくとも醤油と塩は似て非なるものだと思っていただきたいと思います。

例えば私の家では砂糖といえばきび砂糖(精製の浅い黒い砂糖)なのですが、キャラメルや飴を作る際は別で購入した白砂糖やグラニュー糖を使います。
きび砂糖は白砂糖より不純物が多くて飴化に向かないからです。
ただ、きび砂糖は独特のコクや風味があるため普段甘み付けを主とした使用方法であれば白砂糖より好ましいと母及び家族が判断しているためメインではきび砂糖を使います。
このように、各調味料にはそれぞれデメリットや秀でた役割があります。億劫がらずにその時々で必要なものを揃えていただけるとよいでしょう。

3:味噌、醤油について

調味料で塩味と言ったらだいたいこれを思い浮かべる人は多いと思います。これらの効果でまず塩と顕著に違うのは「焦げる」ということ。これを有効に作用させたのが焦がしじょうゆ、焦がし味噌。料理でいうと焼きおにぎりなんかがわかりやすいとおもいます。
それに加え、特有の旨味もあるので料理によっては不可欠です。筑前煮や佃煮は醤油が欠かせませんし、味噌汁は味噌なくして成り立たないものです。
ちなみに醤油については薄口、濃い口、溜まり、九州醤油などがありますが、お住まいの地域でメジャーなものをひとまずお使いになるとよいかと思われます。

4:醤油の種類と使用法


薄口:薄口は醤油の風味が薄いので味のすっきりした京料理やお澄ましに向く他、関西の方の口に合うようです
関西の方から「東京のうどんの汁が真っ黒で驚いた」と言われたことがありますね。
濃い口:逆に関東から東の方は濃い口が馴染み深いと思われます。濃い口のお醤油で味をつける際は、好みですが気持ち甘みも強めにつけると良いかなと思います。薄口は素材の味をより一層出すものですが、濃い口を使う料理はお醤油の味も楽しむようなものが多いように思います。
溜まり:溜まりは味噌を作る際にできる副産物です。旨味が強いので、どちらかというと混ぜものより生で、ソースとしてかけていただくのがいいのではないかと思われます。
九州醤油:甘い醤油です。そこまで詳しいわけではないので現地で料理に使うかはわからないのですが、青魚の刺身にバッチリ合います。ほんとにおいしいのです。甘みが強いのでお料理に使う際は砂糖を使わない、減らすなどの対応が必要だと思われます。

お醤油の使い方ですが、
・そのままかける、つける(刺し身や冷奴など)
・漬ける(醤油漬け)
・炒めものなどの味付け(チャーハンなど)
・煮物の味付け(筑前煮、魚や肉の煮付けなど)
・タレやドレッシングの味付け(油淋鶏など)
あたりがメインになると思います。
塩と大きく異なるのは「液状である」ということです。これによりそのままタレとして使う他、料理に馴染みやすいので調理の終盤で入れても問題ないのです。料理の終盤で入れるのは「さしすせそ」でも分かる通りですが、特有の風味が飛んでしまうのを防ぐ意味があります。味噌もそうですね。
これを利用した「醤油洗い」という工程があります。おひたしにする葉物などを絞った後再び醤油をかけて絞ることで、水分により味が薄まるのを防ぐための手法です。まぁあんま気にしないで。フーンくらいで聞いてもらえればいいです。

5:味噌の種類と使用法


味噌にも種類があります。代用できないこともないのですが、やはり当然ですが味が違うので種類によって使い分けてください。
ふつうの味噌:普通の味噌です。スーパーで一番たくさん置いてあるやつは多分普通の味噌です。味噌漬けに使ったり味噌炒めに使ったり味噌煮味噌汁に使ったり、好きにしてください。
赤味噌:八丁味噌とかがこれにあたります。普通の味噌よりもネッチリして溶けづらく、旨味やコクが濃い。苦味もややあります。特有の風味で苦手な方もいますが、しじみの赤だし味噌汁は最高にウマいです。土手煮にも欠かせません。
単体で考える他、隠し味としてもかなり優秀。普通の味噌汁にちょっと溶いてみたり、カレーやシチューにティースプーンの先くらい入れてもコクが出ておいしいのです。シチュー系はお好みで普通の味噌でもかまいませんが、コク深いのは圧倒的に赤味噌になります。
白味噌:味噌類の中で圧倒的に塩分の少ない、甘い味噌です。私の家では私が自分で使うためにストックしてあり、他の味噌では代用できないものです。白味噌のお味噌汁の他、西京漬け辛子味噌づくりに欠かせません。お野菜や魚のぬた、鮭の味噌焼き、味噌汁によく使います。
塩分が少ないので他の味噌より傷みやすいのが難点。とはいえ味噌なので冷蔵庫で数ヶ月は普通に保ちます。うちの母は甘いものが得意ではないので白味噌も苦手。好みによりますので自分の作りたいものに応じて買うようにしてください。
だし入り味噌:溶けばとりあえず味噌汁になる便利な調味料。毎日の味噌汁づくりにありがたいものです。ただし、味噌として使用する際に添加してある出汁の味が邪魔になることもあるので注意してください。
鶏の味噌漬けや肉味噌、回鍋肉なんかはだし入り味噌で作ったこともありますので、料理によってはぜんぜんOKな気がします。保証はできないって感じです。でも自分で判断ができないという理由でnote見てる人は味噌汁専用の調味料だと思っていただけると事故はないかなぁと……。

お味噌の使い方は
・汁物に溶く(味噌汁など)
・漬け床にする(味噌漬け)
 └漬け床にする際はお砂糖や日本酒なんかを混ぜていい塩梅にします。
・調味味噌にしてタレっぽく食べる
 └辛子味噌やもろみ味噌。
あたりが代表的かと思われます。
お味噌には臭み消しの効果もありますので、さば味噌やどて煮あたりに利用されています。ペースト状なので具材にすくうように盛って食べることも多いです。もろきゅうとか。
お味噌をそのまま食べる際は大抵の場合砂糖、みりん、酒、味噌などを火にかけて味噌ダレにして食べます。私は面倒なので酒を電子レンジで煮切って混ぜるだけですがね。
あと、味噌漬けにする際も酒や砂糖を混ぜます。好みでごま油や唐辛子を混ぜるのもGOOD。
ここで言っておきたいのは、「生肉生魚をつけた味噌床はもったいなくても絶対に使い回さない!!!!!」です。いくらなんでも危ない。もったいなく感じる場合は絶対によく火の通る方法で食べてください。肉味噌にしてみたり、味噌野菜炒めにするとよいでしょう。不安であればもったいなくても捨てちゃってOKです。彼は役割を終えたのだ。

正直味噌醤油についてお話するとほんとに時間かかるんで今回はこのへんで止めます。種類が多いし、使用方法についてもとっても幅広いのです……。

6:ハーブ塩、スパイス塩について

ここはあんまり詳しく書きませんが、「純粋な塩と同じ使い方をしない」ということだけ覚えていってください。
塩コショウ含めハーブ塩は使い所を間違えるとめちゃくちゃ変な風味になるので気をつけてください。
これがハーブ塩をここでとりあげた理由です。「塩って書いてあるから」「塩コショーなんて基本だし」という理由で塩の代用にしないでもらいたいのです。
正直ハーブ塩については「家にハーブが数種類あればいいのではないか?」と思っております……。
ハーブ塩、スパイス塩は「不可逆になった塩」と認識しております。
なのでハーブ塩スパイス塩を初心者が使うことはあまりオススメしていません。クレイジーソルトもハーブ塩の一種です。
ハーブやスパイスについては別口で説明をする想定なのでここで詳しくは書きませんが、ちょっと覚えただけでもかなり料理の幅が広がりますので市販のハーブ塩で済ませるのはもったいない! という気持ちもありますね。
家には胡椒、カレー粉、オレガノ、カイエンペッパー、パプリカパウダー、バジル、ガーリック、タイム、クミン、ガラムマサラが常備されています。この他にローズマリーやナツメグ、シナモンなんかがあるとよいなぁと最近思う次第です。
このくらいありますとスパイス塩なんて自家製でよいのです。基本を覚えてから手を出していきましょう。
ただ、強いて挙げるならばステーキを作る際に重宝します。アメリカ産安ステーキ肉を使ったりする際、私は臭み消しの意味でハーブスパイスと塩、少々の砂糖、オリーブオイルを混ぜたマリネ液を作って一晩肉を漬けておきます。これはかなり効果が出ますね。
お砂糖は今度詳しく説明すると思いますが保水効果があり、オリーブオイルは肉の臭みを取ったり柔らかくしたりする効果があるのです。
これのためだけにハーブやスパイスを揃えるのはちょっと……という方は、ステーキ用のハーブ塩を買っちゃうのはアリです。

終わりに

正直この章を書くのがめちゃくちゃ大変で、なんでかというと「どこまで書くべきなのか全くわからん」というくらい醤油味噌で消耗したのです。正直嘗めてたなってくらい。
調味料の組み合わせなんかも書いたほうが絶対いいのはわかるんだけどそんなことしてたら絶対に書き終わらないしという感じでした。オリーブオイルと醤油が結構合う話とか、バター醤油の話とかしたかったんだけど。
改めて、自惚れじゃないんですが「自分の持っている料理知識やそれに紐づく別の新しい情報の集合体」のデカさに驚きました。
料理の知識ってそれ単体じゃないんですね。醤油一つとっても「地方での違い」「煮汁」「醤油漬け」「魚醤」「中国醤油」「醤油の成り立ち」「醤油文化」「菓子類への使用」とかもう果てしない旅ができてしまう。ちょっと広すぎて恐怖すらありました。
逆にいうと、こんだけの知識量があって初めて「料理楽しいなぁ!」ってなるのかもと思うとできない人や楽しめない人が居るのも当然のことですね。
このnoteで一人でも多くの人が楽しめる土台の1つにでもなればいいかなと思います。

次はお砂糖とか甘味の話できたらなと思います。
書いてると脱線して言わないといけないと思うことがどんどん出てくるのでほんと歯がゆいのですが……。


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