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さみしいお別れ

昨夜、就寝前に知ったエリック・カールさんの訃報……。絵本好きな方なら、彼の著作を知らない方はいないでしょう。

彼の絵本に育てられた子供は、世界中に数えきれないし、私のように、彼の描く世界に育てられた大人もいることでしょう。


すごく寂しい気持ちです。

悲しいんだけど、悲しいよりも、寂しい。

もちろん、ご本人にお会いしたこともないけれど。でも、すごく近いところにいたような感じのひと。

かつては、我が家の本棚にもエリック・カールさんの絵本がありました。

【はらぺこあおむし】は、子供が一歳くらいのときに、読んでいたかな。

きらきら光るガラスを貼り合わせたような、カラフルで素敵な絵本でした。あざやかな色彩のコラージュで描くのが得意だったのだと思います。

たくさんごはんを食べたあおむしが、最後は美しい蝶になる。それだけのお話なのに、「わあ〜」ってなる。

あおむしが食べた葉っぱに穴があくのが、楽しくて。

私は虫が苦手だし、小さな頃から子供も虫がダメだけど、怖くない、気持ち悪くない、綺麗な虫。それが、はらぺこあおむしでした。

【パパ、お月さまとって!】も、ありました。我が家の絵本をほとんど譲った子が、とっても気に入ってくれています。

想像していたより大変な子育て中、蝶になるあおむしに「小さな子供もいつかは大きくなる」と、絵本を読み聞かせるたびに教えられ、励まされました。

これを書いている今、近所のお寺の鐘の音が聞こえています。お勤めは毎日のことなので、毎朝聞こえてきてもいいはずなのに、風向きか何かで聞こえる日と聞こえない日があるのです。

この鐘の音と一緒に、お別れを悼む私の心が、彼のもとへ届きますように。


ありがとう。ゆっくりおやすみになれますように。


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