「うたのなか」 第3日
初演(5/31)
曲の変更点
前回のテストを踏まえ、いくつかの個所で音が削られ、より必要な音が聞き取りやすくなった。
また、画像については花と空とを入れ替え、冒頭ではカメラをオフにしプロフィール画像で花を表示し、曲の途中でカメラをオンに。その後カメラを手でふさぎ、真っ黒な状態で仮想背景をオンにすることで想定していた映像を上手く作ることが出来た。
初演映像でもわかる通りプロフィール画像は正方形に、仮想背景は横長に表示される。それらがたくさん重なることで、写真集のような綺麗な映像になる。カメラがオンになり皆の顔に変わっていくのも含め、演奏時から映像作品としての面白さを味わうことが出来た。
なお、今回の「花」と「空」はテキスト中から採られており、詩及び曲からそれぞれがイメージする画像を(権利問題はもちろんクリアして)用意するように呼びかけられた。テスト演奏時は黄色い花が多かったが、1週間を経た本番時には全体にカラーバリエーションが増え、結果的にピンクが増えた、のはなんとなく面白かった。
最終的な参加者
これも平時の合唱では”あるある”な事だが、本番当日まで全員が揃うことはなかった。
また、残念ながら事前のテストに参加したものの本番には参加できないメンバーもいた。
ひとりは通信量の問題、もうひとりはイヤホンマイクの不調により。
距離がほぼ問題にならないから、遠くに住んでいるメンバーも参加しやすいのはWEB演奏の強みである。しかし同時に、ネット接続環境や、所有機器というハードルも持っているのである。
本番直前に起きたこと
とにもかくにも初演当日を迎え、最終的な参加者にソロを割り振り、当日初参加者とパート変更者のフォローアップを終え、さて、本番を何度か実施しようという段になっていくつかの不具合が生じた。一つ目は初演を作曲者である森山さんが見届けられないこと。
映像をとるためには、演奏者以外はその場に参加できないからだ。
この点はYouTubeと連携し、そのURLを限定公開することでケア可能なのだが、そのためには連携の申請から24時間かかるとのこと。気づくのが遅かった。
結果として「オリジナル作品の初演を聞くことが出来なかったのは初めて」とのこと。残念。
もう一つは、楽譜の指示通りに全員のカメラをオフにすると、設定画面のような表示に切り替わってしまい、花のみの映像が撮れないこと。
これは、私自身が映ることをあきらめ、私のカメラはオンにしたまま「セルフビューの非表示」をすることで回避した。(そのため私は初演映像には音声のみで参加している)
今後映像を残される際には、映像録画用端末を用意するか、一人犠牲になるかのどちらかの準備(心づもり)が必要となるので注意してほしい。
さらに、プロフィール画像からカメラに切り替えるところも注意が必要になる。というのもここは全員がカメラをオンにしてから、一斉に次のフレーズを歌い始めるのだが、参加者の端末によって同時に表示できる画面数に限りがあり(スマホ4、タブレット9、PC25)小さい端末の利用者は全員が揃ったかの確認ができないのだ。そのため、全員が揃いきる前に歌い出してしまうという演奏事故が起こってしまった。
これは、結果的にセルフビューの非表示をしている私がカメラに向けて「待て」の手をかざし、全員がそろったら「どうぞ」と差し伸べることで回避した。怪我の功名である。
初演を終えて
「合唱」を楽しむことができた、というのが第一の感想である。
通話システムのチェックの時に久しぶりに顔を合わせ、声を一緒に出してみた時
楽譜を確定させるために練習とテスト演奏をしてみた時
本番の初演をした時
いずれの時にも「合唱そのもの」を感じ、平時と同じような楽しさも難しさも味わうことができた。
特に2度目に集ったテスト演奏に至るまでの練習過程は、私がこれまで日常で体験してきた合唱練習の指導とほぼ相違ないものだった。
わたしがこの期間中ずっとやりたかった「合唱」が間違いなくそこにはあった。
第1日:使用システムの検討 でも書いた通り、基本的に同時に音が鳴るのは3人まで。
動き・変化のある人、大きな音を鳴らしている人、が優先権をとることが多い。
当然3人が鳴らす音が均等にdmsになるとは限らない。dssかもしれないし、mmmかもしれない。また、ロングトーンでもずっと同じ人が鳴っているとも限らない。
優先される音声は次々移るので、いろんな人の声がブツブツと切り替わりながら聞こえてくる。普段の練習なら聞こえてきづらい遠くに並んでいる人の声も聞こえてくるのは却って楽しいくらいだ。
そして、同時に鳴っている3音に加えて、自分自身が歌う音と合わせると4音が各自の空間で鳴り響き、音楽を形作ることになるのだ。
結果として多くの時間で生のハモりを楽しむことができる。
もちろんユニゾンの心地よさも。
今回の作品は確かにこれまでの一般的な合唱曲とは違い、Zoomで演奏されるために特化した構成となっている。
そしてシステムが遅延を含む以上、字ハモ(縦でリズムが揃った状態で同じ言葉を歌ってハモること)を楽しむなどは不可能だ。
しかし、体感として平時の合唱と地続きで同質のものが確かにあった。
この作品、同声3部で書かれており、今回の混声は単純に男声女声をそれぞれ3部ずつに分けてオクターヴで重ねただけ。
つまり、あらゆる声種の合唱団で演奏をすることが可能だ。
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