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【DTMクラシック】J.N.フンメル/ピアノソナタ第4番 ハ長調,Op.38

ピアノソナタ第4番 ハ長調,Op.38は1808年の作品ですが、実はフンメルのピアノソナタの中では第6番と並んで30分を超える大曲なのですが、アレルヤをテーマにした第2番やフィナーレにジュピター交響曲のテーマが現れる第3番、難曲で情熱的な第5番、ロマン派のピアノソナタのような第6番と比べても魅力を感じず、個人的にはもっとも聞く機会の少ない曲でした。

しかし、譜面を見ながらプログラミング作業を続けていくうちに、この曲はシンフォニックな響きを持ち楽章ごとに異なる性格を持つ「がっちりした体格」の曲であることがわかりました。


00:10 - 1.Adagio Maestoso - Allegro Moderato

第1楽章はアダージョ・マエストソのバロック期や古典派の組曲の序奏のような堂々とした導入部がおかれています。フンメルのソナタに見られる唯一の緩やかな序奏がある曲です。
アレグロ・モデラートの主部は、フンメルが師事したクレメンティとモーツァルトという二人の性格が入れ代わり立ち代わり現れるがっちりした骨太な楽曲です。どちらかというとモーツァルトよりもクレメンティ的なパッセージで溢れています。この第1楽章は古典派のピアノソナタの典型のような曲です。


13:10 - 2.Adagio con molto espressione

第2楽章は、モーツァルトの抒情楽章と見まがう美しいヘ長調のテーマで始まりますが、曲が進んでいくうちに、多くの装飾や煌びやかなパッセージやアイガングに彩られながら長調と短調の間をゆらゆら行き来する美して曲です。後のメンデルスゾーンやシューマンを先取りするかのような展開と装飾が特徴的です。
この楽章を単体で「ロマンス」などのタイトルで広めた方が人気が出るかもしれません。どちらかというと集中力を持って聞くというよりBGM的な聞き方になってしまいがちな古典的すぎる第1楽章になれた状態で続けて聞いてしまうと、この曲の美しさに気が付かいかもしれません。実際私がそういう聞き方をしていました。


22:51 - 3.Finale:Prestissimo

そして私が一番面白いなと思ったのが第3楽章のフィナーレ・プレスティッシモ。
これも時代的に遡った古典派的なクレメンティのロンドのような軽やかなテーマが全体の雰囲気を作っていますが、随所にみられるシンフォニックな響きが聞き取れます。ホルンが鳴っているかの第2主題、それを受けるようにフルートとクラリネットのパッセージが響き、オーケストラが答えていき、それをピアノが着飾っていくように聞こえてきます。まさにピアノ協奏曲のフィナーレを聞いている錯覚に陥ります。途中で変イ長調に転調し、技巧的なピアノが奏でれていきますが、個々の部分を聞いているとベートーヴェンのソナタかなと思えてしまう部分もあり、この曲は全体を通して曲の性格が異なる三つの曲の集まり、というようなソナタです。

Programming Music  Johann Nepomuk Hummel
Piano Sonata No.4 in C,Op.38

Computer Programming : Hummel Note
Programed by Muse Score4
Sound:Muse Score4 & MuseSounds Grand Piano
Re-Edit Mix & Matering:SSW10 Lite


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