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MBA Class Review-Balanced Score Card

先日は10月期の最終回ということでBalanced Score Card(BSC)について、でした。このBSC、会計士受験の時にも習ったんですが正直当時学生で、ビジネスの何たるかを全く理解していない自分にはちんぷんかんぷん。。。

今学んでようやく何がしたいのかということをぼんやりとイメージできました。

もう一つこの概念がわかりにくいのは、管理会計のツールと言いつつ、意外と当たり前のことを当たり前に言っていて目からうろこ感がないのでポイントがよくわからない、という点があるかと思いました。

要は戦略を財務・顧客・社内・人材の視点に分解して、それぞれにKPIを設定し、実行していくという話です。これだけ聞くとそりゃそうだよね、という感じがするのですが、意外とこれが出来ていないからこのツールも脚光を浴びるんだなという感想です。

■日本企業とBSC
BSC、実は日本企業を題材にして研究されたもののようで、キャプランさんとノートンさんが92年に発表したようですね。80年代の日本企業の躍進とアメリカの双子の赤字から状況を打開すべく研究されたとか。

実際にこのお二人が寄稿されたHBRのBacknumberで以下の記事がお勧めです。
『バランス・スコアカードの導入インパクト』
https://www.dhbr.net/articles/-/992

■4つの視点と実行の整合性
BSCで一番中核となる視点は以下の4つです
・財務の視点
・顧客の視点
・内部プロセスの視点
・人材の視点

これは企業が目指す戦略を、人材というリソースがあって育成することで、内部プロセスを改善し顧客価値を向上させ最終的に財務的数値が向上する、という一連のストーリー仕立てで分解して表現したものです。

なので当然この4つの視点は整合している必要があります(縦の整合性)。

また、それぞれの視点にはKPIが設定される必要があり(これがミソ)、その達成のための施策もきちんと整合している必要があります(横の整合性)。

■導入~浸透
さて、実際にBSCを設計出たとしてもそれをきちんと導入していかないと絵に描いた餅になります。

BSCの目的は戦略を達成するために組織に動いてもらうことです。組織に動いてもらうということはすなわち人に動いてもらということです。

人に動いてもらうためには、単に言いっぱなしではいけません。わかりやすいメッセージに落とし込み、目標についてきちんとコンセンサスを取って教育して、繰り返し伝えて、ということをきめ細やかに実施していかなければなりません。

わかりやすさという観点では戦略マップが作成されます。これは先ほどの4つの視点のつながりをわかりやすい言葉に落とし込み、地図化したものです。

導入のステップに関しては、先ほどのHBRでもインタビューとワークショップの組み合わせを3回実施することが推奨されています。

また、実際の導入事例でも、社内報に4コマ漫画の掲載、キャラクターの設定、ロールプレイなどあの手この手を実施した事例もあります。

ここまで聞くと人材マネジメントや組織行動の世界ですね。コッターの変革のステップなんかも有効活用できそうです。

■その他留意点
個人的にはやはり一番浸透という所が課題だと思ったのですが。他にも一般的に言われる課題は以下のようなものがあるようです。
・戦略の明確化(総花的にならない)
・BSCの指標が現実的
・経営者が積極的に関与する
・人事制度と整合性が取られている

■最後に
冒頭にも書いた通り、やっぱりなんだかBSCって基本動作だなっていう感じです。だからこそツールといわれるとかえってピンとこないのかなあという面もあります。

これらすべてを気合入れて導入するとそれなりに大変そうではありますが、要所要所で盗めるエッセンスを盗んで使ってみる、というのもいいですね。

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