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今のこと

今年の2月から日本が一変しましたね。落語界も今や絶滅危惧商売のような状態です。普段毎日のようにやっていた落語が全く出来ない状態になりました。

思えば昨今の落語ブームによって、自分のような決して売れている(稼いでいる)芸人ではなくとも、一年で平すと毎日高座がありました。毎日どこかで一回は喋っている。落語家は歴史上最も数が多いのにです。多いのに仕事は増えている。昔は芸人の数は少ないのに今ほど高座はなかった。やっぱり今は落語ブームだったんです。落語会の数が多い分、全ての会がいっぱいではなく、お客さんも分散するので、少ないお客さんになることも多かったです。

だけどそれはともかく、我々の高座数は凄まじく多かったんです。やっぱり今は落語ブームだったんです。自分より売れている若手がいっぱいいて、落語ブームは認めていなかったんですが、今覚えばやっぱり落語ブームだったんです。

その世界は脆くも崩れたのが今です。「3密」を避けるには、落語会を開催することはできません。そもそも、お客さんに「お越しになっても、予防は自己責任で。」とアナウンスする落語会ならやっちゃいけない気になっちゃったわけで。初めの頃は、「こんな時だからこそ、笑いは必要だ。」という使命感じみたものに巻かれて動いてましたけど、いつしかそれが「こんな時だからこそ、俺たちみてえなあってもなくても良い商売は大人しくしていようぜ。」に変わっていきました。決して落語を下げて言っているわけではなく、娯楽はそういうものです。

そんな中、3月に入ってから若手の間で動き出したのが配信による落語会です。お客さんを集めることが出来ないならば配信しか方法はないわけです。かくいう私も3月いっぱい生配信で落語をやりました。やる方はとても大変ですが、全く新しい仕組みと感覚がとても楽しかったです。手応えは全然ないのにお客さんは割と楽しんでいる。

YouTubeで「落語」を軸にした動画投稿も始めました。「落語家あるある」「落語入門」「落語雑学」色々な試してやっています。作りながら思うのは、落語をどうすれば面白いと思ってもらえるか?ということです。色々な切り口でやってはいるんですが目指すはそこなのです。自分は落語が大好きです。落語家が大好きです。

書いていて改めて思います。こんな世界に変わって改めて思います。書いていてやっぱり思います。

「落語」について考えていることを書いて行ければと思います。

今はそう思っています。

落語について、また過去の思い出等を書かせて頂いて、落語の世界に少しでも興味を持ってもらえるような記事を目指しております。もしよろしければサポートお願いいたします。