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明烏と寝床

今度の独演会では二席ネタを出しました。「明烏」「寝床」共に、僕の青春時代(二つ目)を象徴するネタです。


どちらも最近やって居ませんでしたけど、久しぶりに復活させて、これからはレパートリーに加えたい噺です。この二つのネタは、以前かなりやりまくったせいで煮詰まっちゃったんですね。それで一回寝かせようと、意識してやっていなかったネタです。


以前やりまくっていたおかげで、忘れる事なく頭には入ってました。で、改めて喋ってみると全然違う景色が見えて来てやっぱり楽しい噺だなあと思いました。


落語っていろんな噺を経由して、あとは自分の経験とか体験とかそういうのが蓄積されてまた変わるんですよね。



セリフが変わるとかそういう表面的なことではなくて、心理的なものとか肚(はら)ですね。前なら60くらいの理解でやっていた噺も80、90の理解で進めていけば、やる方も聴く方も変わるはずです。


「明烏」の若旦那って、ともすればいじめに遭ったように見えちゃうことがあって、それだとただかわいそうになっちゃう。半ば強引に女を知らされるわけですけど、その怖さの中の面白差ですよね。だから周りが酔ってたかって意地悪しちゃうと本当にかわいそうに見えちゃう。そこをどうするかですね。若旦那を連れて行く源兵衛と多助の演じ方が肝です。僕はめちゃくちゃ嫌な感じに演じるのが好きではないですね。



「寝床」は現代に置き換えると、パワハラの噺なんでしょうかね。旦那という絶対的な権力を持つ人が、自分の趣味を仲間に披露する。単純な構図ですが、それがまた面白いんですね。大きな場面が四つあるんです。繁蔵が長屋の人が来られないという話をして旦那が怒る寝床のみその部分、番頭が頭の家で8年前の悲劇を聞く場面、番頭が旦那をさとす場面、みんなが義太夫を聴く場面(サゲ)。これらが結構それぞれしっかりしているので、このペース配分ですね。なんとか楽しいマラソンになれば、お客さんも楽しい噺です。


さて、まだまだ稽古稽古です。


「はな平のワンマン〜林家はな平落語の会23〜」
日時 10月9日(金)19時開演
料金 前売2200円 当日2500円
場所 大田区民ホールアプリコ小ホール
番組 「明烏」「寝床」ほか ゲストあり
予約 oasis.hanahei@gmail.com 070-3257-5473
アクセス
京浜東北線「蒲田駅」東口徒歩3分
京急線「京急蒲田駅」西口徒歩7分


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