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アンサンブル上手は床上手?

 ピアニストは基本的に孤独な音楽家だが、他のピアニストやヴァイオリニストやフルーティストといった楽器奏者と共に演奏するアンサンブルでは、人と演奏するよろこびを感じられる。オーケストラや吹奏楽のような大所帯ではなく、最低ふたり、多くても10人以内で行うので、人と人との距離が近いと思う。

 アンサンブルを演奏していて常々感じていることは、アンサンブルが上手い人は床上手なのではないかということだ。実際に確かめたことはないのだが、私はほぼ確信している。

 そもそもアンサンブルというものは独りよがりではいけない。共に演奏する人物がどのように演奏したいか常に耳を傾け、それに合わせていかなければならない。

 だからと言って、自分が気持ちよく演奏するのを諦めてはいけない。相手の音に思いやりを持ちつつ、自分も「このように演奏したい」という意思を曝け出す。

 これをうまく合致させられた時に初めて、最高のセッ……アンサンブルが生まれるのだ。


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