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ガラケーのゲームを吸い出してエミュで遊べるようにする方法【iアプリ】

現在なんとこのようにガラケーのゲームを吸い出してエミュで遊べるようにすることが可能になりました。当然起動時のSIMチェックもスルーされます。

コマンダーショウさんのドラゴンスレイヤー4についての詳細なレポートはこちらから、しいたけあじさんの女神転生2のプレイツイートはこちらからご覧になることができます。

ガラケーのゲームというとドラクエやFFは有名ですが、他にも塊魂やモンスターハンター、ロックマン、キングダムハーツ、風来のシレン、女神転生、太鼓の達人、アトリエ、テイルズなどの著名タイトルも存在します。その中には「ロックマンエグゼ レジェンド オブ ネットワーク」「BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII-」などのガラケー限定タイトルも数多くあります。他にも身内だけで流行っていたようなニッチなゲームもなかったでしょうか?

悲しいことに現在それらを新規にダウンロードすることは出来ません。とっくに各ゲームサービスは終了していますし、そもそもiモードなどの本家機能自体も終了のアナウンスが出ております。それらの作品が失われるのは非常に惜しいですよね……。

ですが、なんとつい最近の2023年12月辺りに海外勢の尽力のお陰でdocomoのFOMA機種のみ(比較的)手軽に吸い出しを行うことが可能になりました。

吸い出しのやり方

※念の為言っておきますが自己責任でお願いします。こちらは一切の責任を負いません※
※MemoryHunterさん曰く、特定の吸い出し方法を用いているモデル(p-01a以降やsoftbank機種など)はデータが上書きされる可能性があった。だけれど現在は恐らく大丈夫。とのことです。※

英語資料とそれを要約した、しいたけあじさん(@siitake_aji)のスレッドツリーがありますが、そちらをお借りしつつ再解説します。

対応機種はこちら。(対応していない機種でも後述のMemoryHunterさんに尋ねればコマンダーショウさんのように対応させられる場合もあるようです)
技術的にはdocomoが端末にこっそり用意したテストモードを強制的に呼び出しているみたいです。

全体の流れ

ケーブルを改造 → Ubuntuから吸い出しツールを使用 → 切り出しや微調整を行いエミュで動かせるようにする

必要なもの

吸い出し用の改造ケーブルの作成には「はんだごて」セットを使います。
はんだという熱で溶かし接合を行うのに使う、針金のような形状をしているものがあります。その加熱を行うものをはんだごてと呼びます。
難しく聞こえますが、一本はんだで導線をつなぐだけなのではんだごてキットさえ用意できればそこまででもありません。キットは安物だと1000円程度から購入できるみたいです。


改造ケーブルの作成

まずこのケーブルの携帯に差し込む側の方を分解します。


そして「4 02」と書いてある方の基盤の右2つのピンと反対側の一つのピンを導線で接続します。

この青の導線がそれに当たります。

Ubuntuを起動する

Ubuntu(Linux)とはWindowsのようなOSのことで、吸い出しツールの起動に必要となります。無料で利用できます。 USBメモリにインストールします。保存領域のサイズがあれば毎回一からリセットされることがなくなります。

PCを立ち上げ特定のボタンでBIOS設定画面に移行し(メーカーにより異なります)、USBメモリがHDD(SSD)よりも先に起動するように設定します。
そしてそれを刺したままPCを起動することでポータブルUbuntuが立ち上がります。
立ち上がったら必ず「Ubuntuをインストール」ではなく「Ubuntuを試す」を選んで下さい。

Windows上でUbuntuを起動するツールWSL2もありますが、ここでは割愛します。導入できそうならやってみて下さい。USBの接続にはusbipd-winを使用します。

吸い出しツール(ktdumper)を起動する

バッテリーを抜いた状態でガラケーとPCと接続します。
ターミナルにて以下のコマンドを入れます。

sudo apt-get install software-properties-common
sudo apt-get update
sudo apt-add-repository universe
sudo apt-get update
sudo apt-get install python3-pip
sudo apt update
sudo apt install git
sudo apt install python3-usb python3-tqdm gcc-arm-none-eabi
git clone https://github.com/ktdumper/ktdumper.git
cd ktdumper
sudo ./ktdumper.sh

と入れると対応機種のコマンドが出てくるのでそれを

sudo ./ktdumper.sh <device> <payload>

のように入力します。

エミュレーターの現状

エミュレーターはdocomoが開発者用に配布していた「Iαppli Development Kit for DoJa (Star)」を使用することになります。そちらの導入手順も上記の資料を参考にして下さい。
音は「903i向けサウンドライブラリ」を選ぶことでFueTrek系列のサウンドチップとほぼ変わらない音が再現されるのですが、音が鳴るタイミングで重くなるという不具合が確認されております…。
しかし現在SquirrelJMEというJava ME 8エミュレーターにてiアプリ対応が少しずつ行われているのでそちらが期待されております。

iアプリ登載ガラケーを集めたい方へ

業者による販売の場合中身は全削除されている場合が大半なので、個人間売買を探してみて下さい。

終わりに

G-MODEアーカイブス」プロジェクトにより一部タイトルは移植されつつありますが、それでも全タイトルが遊べるようになるのは現実的ではないでしょう。
あなたも折角ならガラケーゲームを残しておきませんか?

分からないことがあったら度々出てきた、ガラケーゲームの保存に取り組んでいる技術者のMemoryHunterさんに尋ねれば問題ないと思います。
(現在保存済みのタイトル一覧)
自分も一応DM等で相談受け付けています。
吸い出しが難しい場合、動画だけでも録画にチャレンジして欲しいです!


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