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【Humanize Voice ~ よしつぐの独り言…】  <バックナンバー 2016年7月-9月>

2016年7月から9月のバックナンバーです!

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何と比べているのか? 
<ヒューマナイズ通信 2016.09.21掲載 一部修正>

 組織開発の現場でフィールドインタビューを行っていると、個人名で「○○さんは…」と不満を聞くことがあります。「○○さんは、××ができていない、××が遅い、××がわかってない、××のやり方が間違っている」など、ふとしたきっかけで溢れるようにでてくることがあります(笑)

 確かに、○○さんのやり方が悪いのかもしれませんが、やり方が少し改善されても不満が解消されないこともあります。やり方が少し改善されても、「それぐらいできて当然、まだ足りていない」と改善されたところよりもマイナスの部分に焦点が当たる会話もよく聞きます。

 誰かに対して不満が出るのは、物足りないことや満足できないことがあって吐き出されるわけですが、相手に問題があるというよりも、物足りない・満足できないと言っている側の判断基準で引き起されていることが多いのではないでしょうか。相手の出来の問題と言うよりも、相手の状態をどう捉えるかの問題でもあります。

 相手の状態を解決するだけでは真の課題解決に至らず、自分自身の判断基準を再点検することも必要です。個人でもそうですが、組織ではなおさら組織特有の判断基準が存在します。

 素朴な問いですが、そもそも「何と比べているのか?」を確認することが必要です。そして、その比較は本当に必要かという観点も大切です。

 例えば、「今年の新入社員は…」と言っている場面では、「いつの、どこの」新入社員と比べているのか、改めて立ち返ると少し冷静に物事を捉えることができます。
 基準を甘くしろ、不満を出すなと言うことではなく、何がそうさせているのかを探ることがより大切です。無意識の内に「比べる」何かがあって、必要以上のギスギス感を作り出し、組織全体もしくは個人のパフォーマンスを低下させているのかもしれません。

 仕事の場面だけでなく「何と比べているのか?」少し気を付けたいですね。

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呼吸を合わせる 
<ヒューマナイズ通信 2016.09.07掲載 一部修正>

 先日久しぶりに赤ちゃんを抱っこする機会がありました。我が家の子供たちも随分大きくなったので、赤ちゃんを抱っこするのは何十年ぶり?しかも人様の赤ちゃんなのでさらに緊張しました(笑)。

 三人も子供がいると、昔のこととは言え、抱っこした経験は、それなりに?場数を踏んでいると思います。泣きやまない時には、抱っこして寝かしつけたりするわけですが、自分なりに工夫して?やっていたのは、呼吸を合わせるという方法です。
 呼吸を合わせるとは、特別なことではなく、抱っこした状態で泣いている赤ちゃんと同じタイミングで呼吸をすることです。呼吸のスピードや深さを合わせていくと、かなりの確率で落ち着かせることができます。子供の体調が悪い時は別ですが、健康な時は、100%とは言えませんが、かなり高い確率で成功していたように記憶しています。

 呼吸を合わせる方法は、もともとはスポーツで学んだ方法です。相手との間合いを掴んだり、少し落ち着きたい、集中力を高めたい時に意識的にやっていた方法です(なかなか上手くできませんでしたが…)。
 今でも色んな場面で使っています。特に初対面の方とのキャリアカウンセリングのように自分も相手も少し落ち着きたい場面では、意識的に使うこともあります。極端な話、相手と呼吸が合わなくとも呼吸を合わせようと意識を集中させることで、その場に入っていける、落ち着けるような感覚です。

 自己流でやっていますので、実際どの程度効果があるのかはわかりませんが、自分なりの型やルーチンと言われるようなものを持っていると安心感を持つことができます。

 皆さんは、どんな場面で呼吸を合わせたいですか?

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自分らしさは特別ではなく自然なもの 
<ヒューマナイズ通信 2016.08.17掲載 一部修正>

 自分らしさや個性が大切だと言われることがありますが、強調されると個人的には少し違和感があります。自分らしさや個性を尊重する(される)ことは大切ですが、必要以上に個性的であることが求められているような気がします。

 自分らしさや個性的であることを否定するつもりは全くありませんが、自分らしくなければ…、個性的でなければ…、「ねばならない」的な捉え方をすると、息苦しくなります。

 本来、自分らしさや個性と言われるものは、特別「Special」なものではなく、自然「Natural」なものです。何か優れているとか、秀でているとかではなく、もっと普通で、ありふれているものではないでしょうか。

 自分らしさや個性について特別なものを探し出そうとして、迷ってしまい、返って自信を失くして自己肯定感が低くなっている人もいます。特に他人との比較で、自分らしさや個性を「絞り出そう、捻り出そう、作り出そう?」とすると、訳がわからなくなることもあります。

 そもそも「自分らしい」や「自分らしくない」ということを意識していない、気にしていない状態が、一番ありのままの状態であり、その人らしい状態だと言えます。
 自分らしさについて意識的に考えている時は、自分らしさが見えにくいのかもしれません(そう言いながら、なかなか無意識の領域には辿り着けませんが…笑)。キャリアでも同じことが言われますが、その時にはわからなくても、後から気が付くような感じではないでしょうか?

 生きていることが、そこにいることが、個性です。
 もっと普通のものを大事にしていきたいですね。

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良質なコミュニケーションの基盤の上に成り立つ伝承 
<ヒューマナイズ通信 2016.08.03掲載 一部修正>

 先日、技能伝承を目的としたプロジェクトの一環として、熟練技能工の方にインタビューする機会がありました。50年以上、モノづくりに携わってきた方の話を伺う貴重な機会でした。

 何よりも印象的だったのは、数々の開発案件の中で、いわゆる?“やらかした”案件のことを、こんな失敗やこんな出来事があったと楽しそうに話されていたことでした。方言丸出しで、決して話し方が上手いわけではありませんが、キラキラした瞳で語っている様子を見ていると、こんな風になれたならいいなと素朴に感じました。

 またこれまで培った技能を伝えていくために若い人に何が必要ですかと聞いたところ、「好奇心と挨拶」という言葉が返ってきました。もう少しモノづくりに関する専門的なことが返ってくるかと思いましたが、いたってシンプルな回答でした。

 モノづくりに関する好奇心、興味・関心があれば、専門的な知識・経験は全く関係ない、年齢や性別も関係ない、作ってみようという意志があれば大丈夫だと言われてました。逆に、「作りたいではなく、作らされている…」「仕事だから…」という感覚を持った人には、教える側も気持ちが高まらないと言われていたのも印象的でした。

 挨拶に関しても、技能・技術の前に人間関係の必要性を力説されていました。
 挨拶は、相手の存在を認めることであり、何かを教えてもらうためには挨拶ができないと、何も始まらない。多少専門性があっても挨拶がないところには、ノウハウや知見は集積しないと言われていたのも印象的でした。

 若手人材が不足することと相まって、その現場で培った技能をどう伝承していくかが課題となっています。教える(伝える)側、教わる(受け取る)側、それぞれに問題はありますが、技能が専門的であればあるほど、伝承・伝え聞くというコミュニケーションの基本が必要だと改めて感じました。

 良質なコミュニケーションの基盤の上に、教える側・教わる側の関係性、信頼関係が形成されます。
 そこで始めて尊い技能が伝わっていく、その流れをいかに作っていくか、大きな課題ですね。

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誰に向けてのプレゼンテーション 
<ヒューマナイズ通信 2016.07.20掲載 一部修正>

 先日、学生のプレゼンテーション大会を見学する機会がありました。発表後に、数人のコメンテーターの方が、アドバイスするような流れでしたが、年配のご意見番のような方が、かなり厳しめの意見を述べられていました。冷静に聞いていると、コメント内容も微妙な(笑)感じで、そもそもこのプレゼン大会の趣旨とこのコメンテーターの知見は合っているのか?という違和感を感じました。

 厳しい意見が悪いと言うわけではありませんが、学生は真剣に聞いている分、どんどん表情が暗くなっていました。少なくとも学生にとってプラスになることは無かったような感じでした。

 個人的な意見ですが、コメントを聞く(受け取る)ことは必要だと思いますが、もらったコメントはもう一度自分で評価することも必要だと思います。

 特に新しいアイデアを発表する場面においては、そもそも正解があるわけではないので、コメントも一つの意見として受け取る必要があります。場合によっては、年配の方の感覚や価値観を重視しても仕方がないこともあります。年齢関係なく、誰かに受けなかった内容は、その人には共感されなかっただけであり、それが悪いと言うものでもありません。
 万人受けするものを作ってもあまり面白みが無いとも言えます。

 そう考えると、やはり誰に向けてのプレゼンテーション、メッセージであるかは、非常に大事です。メッセージを伝えることで、誰にどうして欲しいという根幹を大切にする必要があります。

 また学生の成長の場として、プレゼンテーション大会のようなものを実施するのであれば、コメンテーターの人選やコメンテーターに向けての事前説明を含め、未来につながる場づくりを心がける必要性を感じました。
 自省も含め、目的を踏まえ丁寧に作る必要がありますね。

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採用にはリズム感と事前準備が必要? 
<ヒューマナイズ通信 2016.07.06掲載 一部修正>

 今年もいくつか新卒採用のお手伝いをさせていただきました(まだ終わっていませんが…)。

 今年は、昨年以上に売手市場だと言われています。昨年の今頃と比べるとリクルートスーツ姿の学生が少ないのは、採用活動の時期の変更もありますが、既に決まった(内定を獲得した)学生が多い証ではないでしょうか。学生にとっては選択しやすい、企業にとっては採用が難しくなる傾向が続いていると言えます。

 そんな中、比較的採用が順調な企業では、いくつか似たような特徴があります。一つはリズム感がいいこと。もう一つは、事前準備に力を入れていることです。

 リズム感が良いというのは、採用がスタートしてから終了するまで、会社説明、応募者受付、選考、内定出し、内定フォローまでの進め方が同じテンポやトーンで展開されているというイメージです。
 しかし実際は、最終選考や内定に進んだ途端、雰囲気や態度が急に変わると言ったリズム感が悪い企業も存在します。学生を放置していたり、逆に必要以上にアプローチすることで、恐怖心や警戒心を抱かせたり、学生側からの心理状況で考えると、落ち着くことが難しい企業は、離れていくのが当たり前だと言えます。

 もう一つの事前準備とは、具体的な採用実務の前に戦略や計画が、どれ位準備されているかと言う点です。経営計画・経営戦略に基づいて、「本当に採用が必要か?」というところから始まり、採用が必要であれば、量・質両面から採用目標や計画を策定することになります。
 その上で、候補者を集める、選考するという実務に移ります。候補者が自然と集まる状態であれば、さほど気にすることもありませんが、売り手市場においては、採用実務が順調に進まない場面が増えてきます。順調に進まない場面では、適切な見直しを図るためには、もう一度、採用目標・計画に立ち返り、新たな方向性を模索したり、自社の状況に合った独自性の高いプロセスを再構築する必要があります。

 どこまで採用活動に力を入れるかは企業によって異なります。
 採用活動に限ったことではありませんが、やり方・進め方といったノウハウ・テクニックは勿論必要ですが、特に採用知名度が低い会社においては、これまで以上に会社としての熱意やあり方が問われるのではないでしょうか?

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