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【Humanize Voice ~ よしつぐの独り言…】  <バックナンバー 2015年7月-9月>

2015年7月から9月のバックナンバーです!


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失敗ではなく経験を!
<ヒューマナイズ通信 2015.09.24掲載 一部修正>

 若手社員の育成現場で「最近の若手は失敗を非常に恐れている、失敗をしないように避けている」という話題をよく聞きます。
 新人の頃の失敗は、事業や組織全体に大きなダメージを与える可能性も小さいため、今のうちに失敗した方が、覚える・身に付くことも多い…できるだけ早いうちに色々なことに挑戦して欲しい、そんな意味合いで「もっと失敗を!」という意見が多いようです。

 確かに経験が少ない方が、影響度を気にせずに思い切りやれることはあります。
 怖いもの知らずではありませんが、知らないから、できること・身体が動くことはたくさんあります。
 ただその反面、経験のある無し関係なく、敢えて失敗したいと思って行動できる人は少数派のような気もします。
 誰でも失敗するのは嫌だと思いますし、できれば成功したいと思うのが普通ではないでしょうか。
 最初から失敗することがわかっていて、前向きに取り組める人は少ないと言えます。

 そういう私も以前は、新人や若手の方々を研修をする時に、「失敗“も”した方がいい」と言ってました。
 しかし、最近は敢えて言い換えるようにしています。
 失敗をするのではなく、できるだけ数多くの経験、予測と検証を伴った経験を重ねて欲しいと言っています。

 何かわからない、判断に迷う場面に遭遇した時に、必ず自分はこう思うという予測と実際その後どうだったかという検証を繰り返すように言っています。
 予測が外れた時は、失敗だったかもしれませんし、逆に予測が当たった時には成功だったのかもしれません(実際はもっと長いタイムスパンで見ると成功だったか失敗だったかわからないことも多々あります)。

 大切なのは、どんな時に迷って、どう判断したかを残して置くことです。
 当たり前の話ですが、失敗をすることが必要ではなく、もっと自発的・自主的な経験を積むことが必要です。
 「失敗を恐れているのは何故か?」で悩むよりも、「自主的・自発的経験を積むようにするには何が必要か?」を考えた方が、たくさんアイデアが出るのではないでしょうか。


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エネルギーの大きさ方向性?
<ヒューマナイズ通信 2015.09.02掲載 一部修正>

 突然ですが、「やる気が無い」と言うと、どんなことをイメージしますか?
 仕事の場面に限らず、日常生活においてもやる気があるとか無いとか、高いとか低いとか、強いとか弱いとか、話題になります。
 人によって「やる気の無い」状態も異なりますが、実際に“やる気”を確認する時には、エネルギーの大きさと方向性を確認する必要があります。

 エネルギーの大きさとは、そのまま熱量が大きい・小さい(高い・低い)と言う意味合いです。
 もう一つの方向性は、そのエネルギーがどこを向いているのかという視点です。
 例えば、集団で何かに取り組むときに強く反発する方がいます。
 反発する態度を見て、やる気がないと言われることもありますが、恐らくその方は、エネルギーが少ないのではなく方向が異なっているのではないでしょうか。
 むしろ、意志があることを考えるとエネルギーが大きいのかもしれません。
 方向性を調整することができれば、大きなエネルギーになり得ると言えます。

 組織開発のお手伝いをしていると「メンバーのやる気が…」と言う話題が良く出てきます。
 多くの場合は、エネルギーの大きさよりも方向性の問題です。
 よく言われることですが、最初にあったエネルギーが発揮(放出)されないことによって、どんどん小さくなっていくことが、繰り返されています。
 一番怖いのは、発揮されないことでどんどん本来のエネルギーが小さくなることです。
 わかっていることですが、その悪循環が繰り返されていることが多いように感じます。

 貴重なエネルギーをどう活用していくかは、組織運営の大きなテーマです。
 中でも、エネルギーを発揮する方向性によって、変化が起きたり(起きなかったり)、変化が大きくなったり(小さくなったり)すると言えます。
 100%エネルギーを使うことはないのかもしれませんが、個人的にも組織的にも、発揮されているエネルギーが増えているか(減っているか)は、定期的に振り返りたいですね。
 どの方向に向けるか、人と人、人と組織、人と社会の関係性や仕組みによって調整することが、さらに必要になるのではないでしょうか。

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採用に求められる戦略・戦術
<ヒューマナイズ通信 2015.08.19掲載 一部修正>

 今年もいくつかの企業の採用をお手伝いしました。
 おかげさまで無事に終了することができました。
 無事というレベルは、目標とした採用人数で、質的にもある程度満足レベルで採用ができた、昨年と同じような採用ができたというレベルです。

 勿論、今年の就職(採用)活動の後ろ倒しの影響を受けなかったわけではありません。
 エントリー数、説明会そして選考会の参加者数も昨年と比べるとダウンしています。
 母集団の数は減ることが予測できたので、その分丁寧に対応することに力を入れました。

 丁寧に対応する一つの方法として、先輩社員(入社1~3年目位)の方々に、たくさん経験談を話してもらいました。
 しかもできるだけ職場の中で話してもらいました。若手の社員の方々が、自然体で「うちの会社、受けなよ」と話している姿を見ていると頼もしく感じました。

 先輩が将来の後輩に語りかける姿を見て、改めて採用は、連続性や継続性が大切だと感じました。
 一年(単年)で変わりにくいことも事実ですが、一年一年を積み重ねなければ変化することもありません。
 ビジネスと一緒で、積み重ねることで生み出される安心感や信頼感は、伝統であり財産です。
 一年、一回の積み重ねが後で効いてくる、そんな採用を増やしていきたいですね。

 伝統や財産によってもたらされる採用は、一定の水準を確保する・維持すると言った守りの採用には非常に有効です。
 しかし、もっと大胆に攻める採用、これまでと異なる規模や質を追求する採用を行うには、また違うアプローチが必要です。
 「何を求めるのか?」「求めるものを獲得するためにどう対応するのか?」採用においても益々戦略と戦術を連携させることが必要ですね。

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本当に二択しかないのか疑う…
<ヒューマナイズ通信 2015.08.05掲載 一部修正>

 先日、ある経営者の方と話していると「営業マンとして信用できる人と人間として信用できる人、どちらを採用した方がいいですか?」と言う相談?がありました。
 少し冗談交じりでしたが、事の発端は、中途採用の候補者として二人残っているが、どちらにしようか決めかねているという話でした。

 一人は、明るく、ある意味調子が良くどこへ行っても好かれるようなタイプのAさん、もう一人は、真面目で実直、あまり表情も変えずに黙々と取り組むBさん…どちらにしようかと迷っているということでした。
 Aさんは、どこに行っても愛想が良く相手も喜んでいる。
 営業マンとしては非常にスキルが高そうだが、所々オーバートークの部分もあり、危ない感じがするという印象でした。
 一方Bさんは、口数も少なく黙々と何事にも取り組んでいる。
 発言や行動を見ていると、実直で真面目なことは誰が見てもわかる、ただ営業としてどこまでやれるかは未知数という内容でした。

 そういう二人を見て迷っているわけですが、好対照のもの?を見ると極端に思い込むことがあります。
 例えば、「Aさんは、営業マンとしては信用できるが人間としては信用できない」、逆に「Bさんは、人間としては信用できるが、営業マンとしては信用できない」…そんな極端な評価になることがあります。

 実際は、Aさん、Bさんともにそんなに極端ではなく、たまたま比較対象になっているので、それぞれの良い所・悪い所がクローズアップされているように思われます。
 営業という点でも勿論ですが、特に人間性に関してはかなり過大(誇大)・過小評価されていると言えます。

 もう少し冷静に判断するためには、二人の相対評価ではなく、もう少し対象者を増やし、絶対評価に近い形に戻すことも必要です。
 絞り込みは大切ですが、必要以上に二者択一的に考えるとおかしなことになります。

 賛成-反対、成功-失敗、敵-味方など、二者択一で考えるとわかりやすいこともたくさんありますが、それだけでは返って思考停止に陥ることもあります。
 本当に二択しかないのか、疑ってみることも必要ですね。

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パラレルキャリアを踏み出すためには…
<ヒューマナイズ通信 2015.07.15掲載 一部修正>

 先日、石山恒貴先生(法政大学大学院 政策創造研究科 教授)の著書『時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!―本業と「2枚目の名刺」があなたの可能性を広げる―』出版記念トークイベントに参加しました。
 有難いことにその書籍の中で「キャリアバラエティ」のことも少し取り上げていただきました。

 パラレルキャリアとは、元々ドラッガーが提唱したもので、本業は本業としてしっかり働きながら、本業とは別に二枚目の名刺を持ち、社会活動等に取り組むような生き方のことです。
 一般的にパラレルキャリアと言うと「本業×社会活動」という捉え方が多いようですが、キャリアバラエティでは、もう少し幅広く柔軟に考えています。
 いずれにしてもシングルキャリア(単一的なキャリア)に留まらず、より多くの方々がより多様なステージで活躍することが求められる時代になると予測されます。

 トークイベントでも少し触れましたが、パラレルキャリアを踏み出すためには、これまでのキャリアとは異なる可能性を考えることが必要です。
 結果的に、新しいことを始めなくても全く問題ありません。
 大切なのは、一度今とは違う可能性を考える時間や機会を持つことです。
 これまでの延長線上で進むにしても、一度異なる可能性を考えることはリフレッシュすることにつながります。
 もし自分のキャリアに関する考え方が、少し凝り固まっているようであれば、一度凝りを解すことも必要です。
 同じ道を進むにしても、凝り固まった状態で進むのと、リラックスした状態で進むのは、先に進むにつれ着地点が大きく異なります。

 そしてもう一つは、少し考えてアイデアが浮かんだら、信頼できる誰かに話してみることです。
 言葉にしてみることで様々な反応があります。
 良い反応、悪い反応、ほとんど反応無し…いずれにしてもその反応が鏡となって改めて思うことがあるはずです。
 考えることと同様で、言葉にする機会は大事です。

 いずれにしても、この仕事か別の仕事かと言った二者択一的な選択だけではなく、多様なチャンス、多様な可能性を探ることが益々求められると言えます。
 特に地方では、人口が減ることも含め、一人何役も…という場面が増えますね。
 できるだけ多くの方が、様々な活躍するフィールドを見つけ、生き生きと!…そういう動きをたくさん応援していきたいですね。

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20期目に突入して…
<ヒューマナイズ通信 2015.07.01掲載 一部修正>

 弊社は6月決算のため、7月から新しい事業年度、ついに20期目に突入しました。
 29歳で創業し、「三年位やってみてダメだったら戻ればいいや…」と軽い気持ち?でスタートしたことを考えると、我ながら不思議な感じです。
 本当に周囲の方々に感謝です。

 20期目に突入しながら、相変わらず「日頃何してるの?」と聞かれます(笑)。
 サービスの形態は色々変化していますが、創業からずっと取り組んでいるのは、経営に必要な人材を供給すること、専門的な表現にすると「戦略的人材マネジメント構築」に携わっています。

 「供給する」と言うと、採用がイメージされやすいわけですが、それだけではありません。
 外部から採用して供給する方法もあれば、内部(今働いている人)から供給する方法もあります。
 採用で人材の「数」を増やすのも一つの方法ですが、現在働いている人材の「質」を上げて対応(供給)する方法も重要です(余談ですが、数に頼るのは限界がありますね)。

 質を上げる方法もレベルアップと出力アップという二つの方法があります。
 レベルアップは能力をさらに磨くことですが、出力アップは保有している力(実力)をより発揮してもらうことです。
 より高いモチベーションで働いてもらう、より長く働いてもらう、より周囲に良い影響を与えてもらうことも出力アップにつながります。
 いずれにせよ、様々な方法をやり繰りしながら経営に必要な人材を供給するお手伝いをしています。

 刻々と経営を取り巻く環境は変わり、日々経営課題が変化しているにも関わらず、人材を供給する方法(採用、人材育成など)は同じことをやっている組織はたくさんあります。
 経営(やりたいこと)と人材(やってること)が、少しずつ乖離していくのは、どこでも起こることです。
 今までと同じことが急に通用しなくなるわけではありませんが、少しずつズレが発生します。
 そのズレを発見しながら修正することが弊社の主要業務の一つです。

 最近では、「人材開発をチューニングする」という表現を使っています。
 経営の状況に応じて、絶えず人と組織をチューニング(調律)することを手がけています。

 経営者や事業責任者の方から「採用や人材育成に取り組んでいるけど、イマイチなんだよね」と相談されます。
 採用や人材育成に取り組んでいないわけではなく、取り組んでいるけど思うようにいかないと言う相談がほとんどです。
 そういう相談・依頼を受けてイマイチの構造や背景を洗い出すような作業に取り組んでいます。
 イマイチの構造や背景が明らかになると、色々な打ち手も見えてきます。

 最近では、現場に入って、従業員の方々にインタビューしながら組織内で何が起こっているのかを浮き彫りにすることに時間をかけることが増えました。
 (私の全く構造化されていないインタビューをテープ起こししているスタッフが一番大変です。いつも雑談の多いインタビューですみません、本当に感謝してます。)

 長年取り組んでみて、ヒトが大事であるという想いは強くなる一方です。
 ヒトの持つ可能性と多様性を大事にしていきたいですね。

 そういう私自身がかなり適当で、基本的には事業計画もほとんど立てずに、気の向くままというスタイルでご迷惑をかけております。
 また新しいことも構想(妄想?)しておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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