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【Humanize Voice ~ よしつぐの独り言…】  <バックナンバー 2014年7月-9月>

2014年7月から9月のバックナンバーです!


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批判的な意見の向こう側?
<ヒューマナイズ通信 2014.09.17掲載 一部修正>

 研修やファシリテーション、カウンセリングなどお手伝いしていると、たまに?批判的な意見が飛び交う場面に遭遇します。
 「そもそも無理」「やっても無駄」「わかってない」…他者から見れば荒れた感じですが、批判の中には、貴重な情報がたくさん含まれています(全てとは言いませんが・笑)。

 批判的な意見、特にマネジメント層から出る意見は「こうして欲しいのに…」と言った期待の現れだったりします。
 確かに批判的な言葉・言い回しは、周りに悪影響を与えているのかもしれませんが、その発言の背景にあるものは、重要な内容だったりします。

 また、批判的な意見を出す人・組織の特徴の一つとして、反射速度が速いことが挙げられます。
 ○○と言うと即座に××という感じで返ってきます。
 ある意味アンテナが立っていると言うか、よく周囲を見ています。

 同じ組織の中で、メンバーから同じような批判が出ているようであれば、そこには構造的な課題があると考えられます。
 逆に同じ組織の中で、異なる批判が出ているようであれば、組織コミュニケーションに課題があるのかもしれません。
 いずれにしても批判が出てくる背景に注目する必要があります。

 組織を運営する上で、むしろ怖いのは反応が無いことだと言えます。
 要望も不満も出て来ない、何も返ってこない状態です。
 「言いたいけど言えない」は、まだ打ち手がありますが、あきらめ・無関心・他人事になっていると、深刻です。
 批判と全く逆ですが、特にマネジメント層から要望・不満が出てこない組織は危険度が高いと言えます。
 コンプライアンスやハラスメントに関わるモラル的な課題が多いのは、マネジメント層の反応が薄い組織の共通点です。

 しかし実際は、“あきらめ・無関心・他人事”と言う感じで見えても、そこに居る(存在)しているのは、声なき声がある証拠でもあります。
 本人よりも周囲が先に諦めないようにしたいですね。

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やる気が見えない?
<ヒューマナイズ通信 2014.09.03掲載 一部修正>

 先日、新入社員フォロー研修を担当した時に、「今年の新人は優秀なんだけど、やる気があるのか、ないのか、わからない」という話が出ました。
 仕事を依頼すると非常にスマートに対応するようですが、やる気がわかりにくいと言う内容でした。
 恐らく、本人は「やる気あります!」と言うことだと思いますが、周りにはあまり伝わっていない…そんな話を良く聞きます。

 新人側に立つと、やる気があってもそう見られないことは、少し勿体ない感じがします。
 新卒採用の場面でも感じることですが、“説得力のある”やる気の見せ方ができていない人がたくさんいます。
 やる気・意欲はあると言っているが、伝わってこない…もう少し相手に合わせた見せ方や出し方があるような気がします。
 特に誰かの協力や支援が必要な場面においては、どうすれば説得力が高まるかを考えた方がいいですね。

 逆に見る側の視点に立つと、やる気や意欲を自分の視点だけで判断すると危険です。
 経験がある方ほど、やる気があるなら、こういう意見や行動があるはずだ…と言う思い込みが強く、少し一方的な感じも受けます。
 やる気や意欲の出し方は、色んな方法があります。
 特にこれだけ価値観が多様化している時代においては、一人ひとりやる気の見せ方・出し方、「やる気スイッチ」も異なります。

 いずれにしてもそれぞれが少し相手を意識するだけで、関係性が変わることはたくさんあります。
 「わからない、わかってくれない、わかってもらえない」そんな言葉が、数多く飛び交っている組織(チーム)は、ロスが多い組織です。
 規模の大小問わず、ますます多様なヒトの組み合わせが進むことは予測される中で、異なる価値観を気づくことや認知するような取り組みは、基本的ではありますが、益々必要ですね。

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ポジティブな諦め
<ヒューマナイズ通信 2014.08.20掲載 一部修正>

 忙しい状態が続いたり、難しい問題に遭遇すると、身動きが取れない(取りにくい)状況になることがあります。

 身動きが取れない場面では、何となく選択肢が少ない=「打つ手が無い」ような印象を持ちますが、トップマネジメントなど意思決定が必要な方は、むしろ逆のようです。
 選択肢(条件)が少ないと言うよりも、むしろ選択肢(条件)が多いことで身動きが取れないことが多いのではないでしょうか(勿論、個人差はありますが…)。
 やることが多い、または、制約(阻害)条件が多いという感じでしょうか。

 そういう場面でも活き活きと働いている人の特徴の一つとして、「ポジティブな諦め」ができることが挙げられます。

 「諦める」と言うと、何となくマイナスなイメージがありますが、勇気を持って諦め、優先順位をつけて取り組むことは大切なことです。

 同じ諦めでもポジティブに捉えているのか、ネガティブに捉えているかによって大きく異なります。
 ポジティブな諦めは、諦めたことを割り切り、諦めた後の場面に意識が集中しているのに対し、ネガティブな諦めは、諦めたものの過去に引きずられている状態です。

 当然、不健全な状態でだましだまし?長く続けるよりも、一歩下がってでも健全な状態を取戻し、取り組むことの方がすっきりするのは言うまでもありません。
 諦めると失うものがあるかもしれませんが、諦めないと得られないものもあります。
 完全な人はいない(と思う)ので、どこかでふっと力を抜くことも必要ですね。

 諦めに関しては、個人的な視点もありますが、組織単位で見てもポジティブな諦めができている組織とそうでない組織があります。
 組織開発の仕事をしていると、メンタルな相談をたくさん受けますが、諦め方は大きな要因です。

 ポジティブな諦めが多い組織とそうでない組織では、メンタルヘルスに関しても大きな開きがあります。
 ポジティブな諦め、皆さんの周りではいかがですか?

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一社の枠を超え、手を取り合う取り組みを!
<ヒューマナイズ通信 2014.08.06掲載 一部修正>

 先日、一般社団法人福岡中小企業経営者協会が運営している「クレリア採用部」で新人・若手社員の交流イベントをお手伝いしました。

 クレリア採用部は、地元の中小企業の人事・採用担当者が集まり、採用に関する不安や悩みを持ち寄って、解決策を考えるコミュニティです。(縁あってスタート時からお手伝いしております。)

 日頃は採用にテーマが中心ですが、今回は、採用した新人・若手の定着・育成についても何か取り組みたいと言うことで、交流イベントを企画・開催しました。
 二部構成で、前半は新人・若手の悩みを共有し仲間作りをメインとしたワークショップを行い、後半は懇親会を行いました。
 反省&改善すべき点はありますが、笑顔あふれるイベントになりました。

 採用を真剣に考えると、採るだけでなく、いかにして育成・定着を図り、活躍につなげるかが大きなテーマになります。
 当たり前ですが、育成・定着が覚束なければ、採用そのものが苦戦する流れになっています。

 特に採用人数が少ない中小企業では、同期が少ない、いないケースもあります。
 大企業では当たり前に同期に相談できることが、その相手もいないことで疎外感を感じ、だんだん実力を発揮できなくなることもあります。

 そこで、今回のようなイベントを開催した訳ですが、一社の枠を超えて、複数の企業が手を取り合って、育成や定着支援に取り組むことは今後益々重要になるのではないでしょうか。

 中には必要性はわかるが、他社の「芝生が青く見える」と心配されるケースもあります。
 しかし、これだけ情報が氾濫している時代では、情報を制限するよりも隣の芝生も見せて視野を拡げることが大事です。
 隣の芝生も見た上で、客観的に自分の立っている場所を捉えることができる社員の育成が望まれています。

 連携する企業の社員も自社の社員のように考え、複数の企業が協力して、採用や育成・定着に取り組む…地域の採用力や人材育成力が向上すると素敵です。

 どこまで「自社」「パートナー」と考えるか…今後の大きなテーマですね。

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シンプルに伝えるために削ぎ落とす作業を!
<ヒューマナイズ通信 2014.07.16掲載 一部修正>

 先日、環境教育の第一人者である川嶋直(かわしまただし)氏を招いて二日間セミナーを開催いたしました。
 一日目は、参加型コミュニケーションスキル講座、二日目は、KP法(紙芝居プレゼンテーション)実践講座を実施いたしました。

 両日ともたくさんの気づきがありましたが、贅沢を言えば主催者(事務局)としてではなく、受講者としてゆっくり受けたかった感じです。

 特に二日目のKP法実践講座では、シンプルに伝えるということがテーマでした。
 KP法は、A4の紙10枚程度に自分の伝えたい(届けたい)要点をまとめ、ホワイトボードなどに張り付けてプレゼンテーションを行う方法です。
 話し手が話したいことではなく、聞き手が理解できるサイズにまとめることが必要です。

 ▼詳細は下記書籍などを参照ください。
 川嶋直 著 / みくに出版
 『KP法 シンプルに伝える紙芝居プレゼンテーション』

 KP法では、要点を記載したA4の紙をホワイトボード上に並べるわけですが、あらためてメッセージを構造化することの重要性を実感しました。
 横に並べた方がわかりやすい、縦に並べた方がわかりやすい、直列と並列、様々です。
 一枚貼る位置を変えるだけで、ぐっとわかりやくなることもあれば、その逆もあります。

 同じことを話すにしても、全体を構造化していないと聞き手にはただ単に情報が浴びせられるだけなのかもしれません。

 プレゼンテーションの目的(ゴール)は、相手が動くことです。
 話の上手い下手ではなく、話を聞いた相手がどんな行動をしたか…聞き手の行動によってプレゼンテーションの良し悪しが決まります。
 感動と言う言葉の通り、相手に感じてもらい、動いてもらうことがポイントです。

 情報が氾濫する時代において、大切なことをできるだけシンプルに伝えるためには、情報を削ぎ落とすことが必要ですね。
 プレゼンに限らずコミュニケーションが必要な様々な場面で、削ぎ落とす作業は今後益々必要になるのではないでしょうか。

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採用だけの問題では無い
<ヒューマナイズ通信 2014.07.02掲載 一部修正>

 2015年卒の採用活動も急ピッチで進んでいるようです。
 九州ではそれほどではありませんが、全国レベルでみると、様々な調査から高い内定率が示されている通り、昨年と比較するとかなり速いペースで内定(内々定)が決まっています。

 その一方で、例年コンスタントに採用している企業から、もう少し精神的にタフな人材を採用したいと相談を受けることがあります。
 特に企業規模が大きいところからはそういう話を聞く機会が増えています。
 採用はできているものの、入社後、環境変化に適応できず力を発揮できない人がいる、さらにはメンタル不調・不全を引き起こす人がいる、その対応に困っている…そういう話題も絶えません。
 採用する側からすれば、できるだけ未然に防ぎたいので、少しでもタフな人を採用したいと考えることは、ある程度理解できます。

 しかし、タフな人、ストレスに強い人を採用するだけでは、何も問題は解決されないと個人的には考えています。

 少しでも入社後のミスマッチを減らしたいと言う採用担当者の気持ちはわかります。
 しかし、ストレスに強い人を採用する、もっと言えばストレスに強い人しか活躍できない環境で良いのでしょうか?
 メンタル不全者が発生したので、その対策として入口である採用のやり方を変えるだけでは、解決できない問題があります。
 採用だけの問題では無いと言えます。

 また、将来に目を向けると、確実に人口が減少していく中で、わが社だけがストレスに強い人を採り続けるという発想には無理があります。
 「ストレスに強い人が活躍できる組織」と「ストレスに強い人しか活躍できない組織」は大きくは異なります。
 採用に対する焦りがあるのかもしれませんが、悪循環に陥っているケースも増えているようです。

 採用時にストレスに強いかどうかを確認しなければいけない状態は、健全でしょうか?
 皆さんの周りではいかがですか?

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