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できていない…その前に「どこまでできているか」も確認する 【Humanize Voice ~ よしつぐの独り言…】

 人材開発や組織開発のお手伝いをしていると、トップの方から、現場に対してもっと自発的に動いて欲しい、臨機応変に対応して欲しい、そんな意見が出てくることがあります。

 現状についてもう少し話を聞いてみると、「言われたことしかやならい、リスクを冒さない、失敗を恐れる」そういう言葉が出てきます。
 いずれにしてもトップの期待とは異なるパフォーマンスになっている、何かしら組織の中に不具合が発生していると考えられます。

 ただ冷静に考えると、言われたことしかやらない→言われたことをやる、リスクを冒さない→リスクを把握している、失敗を恐れる→ミスが無いように進めている、どれも大切なことだと言えます。
 「言われたことしかやならい、リスクを冒さない、失敗を恐れる」ことは悪いことや避けるべきことではなく、それを(それも)実施した上で、さらに上を目指す、期待される基準を超えていくという発想が必要になります。

 基準を超えていくためには、土台が安定している、安心して挑戦できる環境が必要です。そのためには、まずは「言われたことをやる、リスクを把握している、ミスが無いように進めている」ことをしっかり認める(評価する)、その上で…という考え方が双方の間に生まれることが必要です。

 できていないことに焦点を当て危機感を煽る方法もありますが、長続きはしません。
 できていないことだけを要求するだけでなく、できていることを互いに認めた上で、次のステップに移行する(=さらにできることを増やす、できていないことを減らす)ような進め方を意識することが大切です。

 できていないことを取り上げる前に「どこまでできているのか」も確認したいですね。


<ヒューマナイズ通信 2021.10.20掲載 一部修正>

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