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恋愛は甘酸っぱい。それは恋愛してない奴が言うことだ。

 口が開かなくなった。大きな事故に遭ったのだ。幸い今は命に別状はない。少し間違えればここには居られなかっただろう。でも僕はそれをラッキーだったとは思えなかった。こんな経験しなければ気づかないで生きていけたのに。
 人に口なんか要らないって気づかずに。
 それだったらいっそのこと死んでしまえばよかった。いや、殺してくれればよかったのに。


 見当違いだった。私ならどうにか出来ると思ってた。君と一緒に居られると思ってた。けど君は私の言葉を聞かず、君を貶すあの人の言葉を信じたね。私もあなたもまだ幼かったね。でも、1つだけ言っていい?
 君の口から言葉を聞きたかったよ。
 私は 「会いたかったよ…。」


——「…昨日、市内の交差点で傷害事件が発生しました。被害者、加害者とも近隣の高校に通う男子高生で、現場近くにいた人の話では『奇声を挙げながら馬乗りで殴っていた。』とのことです。学校側はいじめの事実はないとしていますが、警察は経緯について慎重に…」

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