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離れていても安心

AIで課題解決
 リケナリシス株式会社(2015年創業、本社:東京、以下同社)は国立研究開発法人理化学研究所の研究成果を産業に応用する理研ベンチャーとしてスタートした会社で、動物の行動を座標化する姿勢推論AIを応用して、医学界、製薬業界、保育や看護の分野に焦点を絞り、映像によってもたらされたデータを用いたVideoAIに特化して研究開発に取り組んでいるそうです(出典:同社ウェブサイトより)。  2022年暮れに米国OpenAI社によるChatGPTという汎用のAIアプリケーションが公開されて以来、AI(Artificial Intelligence)はにわかに身近な言葉となり、その進化速度が極めて速いため、期待と不安が入り交じり様々な議論が湧き出ています。しかし、実際にはAIの開発は古くから行われており、ここに紹介するリケナリシス社も上述の通り予てより理化学研究所で研究されていたAI技術の成果をもって2015年創業しています。  一般庶民にも分かりやすく同社が販売している代表的なサービスの一つに今回取り上げた「hana-an」があります。「離れても安心」という意味を込めて作られたこのサービスは、睡眠中の赤ちゃんを見守る保育施設専用の午睡チェックサービスだそうです。このサービスでは、保育施設の赤ちゃんのお昼寝場所天井に同社が設営する小型PCと超小型カメラと保育士さんがモニターするタブレット端末があれば、赤ちゃんの午睡の実際の状況をリアルタイムでタブレット端末上でモニターできるとのことです。従い、保健士さんが赤ちゃんの傍に常時ついている必要はなく、また赤ちゃんにセンサーなどを取り付ける必要性も一切ないそうです。超小型カメラ一つで最大12人の赤ちゃんの姿を捉えることが可能で、タブレットでモニターできる保育士さんも6人まで登録可能だそうです。赤ちゃんの命をも預かる保育士さんの仕事はひと時も手を抜くことは無論できる筈もありませんが、「hana-san」のサービスが保育士さんの仕事の一部代行を可能とすることは間違いないのでしょう。  今後、AIをベースとした様々なアプリケーションが数限りなく世に出されてくると思いますが、「hana-an」サービスのように、非常に繊細な注意力が求められ且つ人の命に係わる領域におけるAIによる支援は、保育士さんのみならず介護士さん看護師さんなどが抱える長時間労働の軽減という課題解決にも有効であると思います。 リケナリシス株式会社の今後の益々のご活躍を祈ります。(AS)

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