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魅力一杯の林業

山と人が共にある社会づくり
 兵庫県と鳥取県に接する位置にある岡山県西粟倉村、なだらかな多くの山に囲まれ一時は「消滅可能性」集落と言われた小さな山村、株式会社百森(創業:2017年、本社岡山県西粟倉村、以下同社)はそこにあります。
 都会から移住した若者によって設立された同社の代表者は東京都出身のITベンチャー企業に携わっていたそうで(出典:2024年5月16日東京新聞)、起業の発端は、村が2008年に掲げた「百年の森林構想」に基づき村が企画した企業スクールに参加したことが切っ掛けだそうです(出典:同上)。
 今は未だ従業員10名(2名のパートタイムを含む)と小規模ながら多面的な活動をされているようです。同社ウェブサイトからその活動ぶりを覗いてみると、先ず2600haを超える山林の調査・管理、森に触れる体験をするなどの様々な山林活用、森林管理業務管理システムのくみ上げとツールの販売、MFA(メディック・ファーストエイド)救急医療の訓練プログラム、地域企業や自治体が取り組む温室効果ガス排出量のJクレジット化を調査から申請までサポートする「ヤマカチ」と称するサービス、そして書店開業・運営と、とても僅か10名でよくここまでと感じるほど幅広く事業展開をしつつあるようです。
 これら何れの事業も、村の93%が森林で覆われている西粟倉村の森林の調査管理請負業務を軸として、村の「百年森林構想」を実現することにあるようです。東京新聞によれば、村が2008年にこの構想を掲げて以来、構想に賛同・共感した人々が集まり入り、同社を含めて既に50社を超える新規事業が展開されているとのこと。未来を見据えて大きなビジョンを掲げる村の施策も素晴らしいことですが、それに呼応するように村外から集まり新たな事業を立ち上げる人々が沢山いるということは本当に心強いことです。森林を維持管理し、その貴重な資源が次世代、次々世代へと受け継がれていくような社会づくりは、日本の未来を支える重要な仕事だと思います。村の発展と共に同社の益々のご活躍を祈ります。(AS)

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