「進撃の巨人」-the Musical - 感想

「進撃の巨人」-the Musical - に行ってきました。感動したので色々書いてたら長くなってしまったけど記録として。

・私の履修レベル
漫画とアニメをマイペースに履修。初期は普通に楽しむ感じだったんですが、王政編、ウォールマリア奪還、マーレと勢い止まらず骨の燃えカスに許されずここまで来てしまった感じです。

※当然最後まで観ているので原作ネタバレ多めでお送りします。
※ミュージカルでの改変や演出内容についてもネタバレしてます。

お伝えしておいた方が良さそうな事としては私はジャンBBAです。そこそこひどい感想ですが、今吐き出さずいつ吐き出すのかと。

順番が沿ってるようでバラバラです。それではスタート。


・エレンとにかく歌上手い
エレン役岡宮さんはとにかく歌が上手い。ソフトなところと張り上げるところ、どこをとっても上手い。歌だけなの?というとそんな事はなく、台詞に関してもエレン特有の喚き散らす感じも良く体現されていて、この人を中心にした物語にピッタリだなと思いました。やだやだいやだ〜♪

・活弁士アルミン・アルレルト
私は実写化において、原作に忠実である事が最適解とは思わないたちで、メディアにあった世界観が見てみたい方。
従って声もアニメ声優そのもの=正解とは思わない方ですが、アルミンは第一声正直面食らった。ただ聞き慣れない声質というだけで、アルミンのオタクの早口っぽい感じや、本来の10代そこらの子の変声期の感じ、掠れ方などを考えるとこの世界のリアリティかもと思いました。

・アンサンブルが良い
私が2.5初心者なのでこの手の舞台の基準がわかっていないけど、全体のクオリティ底上げはここにあるんだと思う。
巨人のいる世界の残酷さや悲惨さが凝縮されていて迫力がある。民衆にしても無垢巨人にしても、この世界の緊迫感や説明が動きと歌で入ってくる。
巨人が人と良く似た形なのに異形というのが実際人からとったであろうモーションでしっくりくる。同じ世界の生命体だなと感じた。ケンザさんの音楽も良いよね。

・海強火担アルミン
海の話から夢のような幼馴染の場面…アルミンは夢をみているんだよ…そうだよ…と、白夜や終尾の巨人におもいを馳せるなど。
その夢のようなシーンから一転。世界は残酷。

・当たり前のようにみていたけれど
カルラの場面は本当につらいけど圧倒される。瓦礫も全部どかせられないわけではなく、重い瓦礫にあと一歩阻まれるんだよね…あの感じ本当にハラハラする。だいぶ耐性ついたけど最初の1番辛いところ。最後まで辿り着いてたらそれもまた辛いやつ。

・通過儀礼ダンスから巨人授業が最高
ツイッターの動画を見てとても楽しみにしていた場面。当然ジャンBBA歓喜。ここだけでもチケ代回収できるよ。

・個人的MVPはキース・シャーディス
ジャンBBA言ってて何事って話だけど、後述の台詞詰め込みがキースについては全く気にならず、ラップっぽい感じ、良いフロウという感じだった。通過儀礼のリズムに続く頭突き、王は欲していない身体、右心臓、馬鹿みたいな名前、芋と音の有無に関わらずテンポとリズムが心地良い。
成果が得られなかったり、ベルトの破損といったシーンは堂々とドラマチックに見せるあたり、林野さんのお芝居は気になるところ。

・ジャンの解釈がダンス集約されている
演者の福澤さんについてはついつい気になってしまい、予習したのでダンスが上手いのは知っていた。事実上手い。が、見せ方の勘所が良いという方が近い感覚。その勘所は基礎的な技術が無いとできないと思うので結局は上手いんだけど。
抜き身で打算的だけど格好つけるところや、立体機動の性能を引き出すのが上手い=身体能力と頭脳のポテンシャルがある=あのだるそうな出立ちとダンスはこれぞ解釈一致という感じ。
大きく動くというよりは、緩く見える動きのようで決めの角度がおさえられていて緩急としなやかさがある。手先の動きやふとした動作、とくに腕の所作が美しい。顔芸で踊らないのも好感。でもここは好みがあって入り込んでエモーショナルな表情で踊るのが好きな人もいそうなので、私の好みと合致しただけだと思う。
巨人授業の机に手を這わせる動きの美しさにうっとりしました。
で、最後のカーテンコールも猫背気味に歩くんだけど、お礼の瞬間3番ポジションで綺麗に身体を折るとかずるくない?お前やっぱエリートだな!(これはすでに沼っていると思う。

・声優の声帯を飼っていた人
ハンネスさんはCV藤原啓治。
しつこいけど進撃アニメ大好きだし、なんならきーやんだいぶ好きな方だけど、正直声優の声に寄せることが加点評価にならない。でもトロスト区出身!ジャン・キルシュタイン!って言った瞬間いやいやジャンじゃんwってなったよね。福澤さんのフラットな喋りをみるに、元々のちょっと鼻にかかる感じの声が似てて高さと喋り方で寄せやすい感じなのかしら。とはいえ意識しないとああならないと思うのですごいね。
あとサシャ。ここは乗り移っている感じ。声もそうだけどあのうわずった喋り方がサシャ。
エレン、ミカサ、リヴァイ、ハンジさんはまんま!というよりはすごく近いエリアに属するお声って感じ。

・マルコとジャンの対比
シンメでジャンと踊ることが多いマルコは、すらっとした身体をめいいっぱい動かす感じの動きが優等生にみえて良い。泰江さんはマルコにしては華やかすぎる俳優さんかなって印象があったけど、あれぐらいの少年少女の閉ざされた空間だと眩しく見える人物だと思うのでなるほどと思った。
最後のマント無しさぁ。そりゃそうなんだけど諫山イズムを感じる演出。でもパンフだとマント羽織ってるんだよね…。

・みんな大好き芋シーン
舌打ちが異様に綺麗に響く。基本的に大音量が続く演出で、ここはとても静かになるのでシュールで観客も思わず吹き出してしまう。

・コニーとジャンのワチャワチャ
原作最後までたどり着くと、なんだかとても辛いような微笑ましいような気分に。
ここにサシャとマルコも入るんだけど、あの独特の調子の良いノリはこの2人特有で、訓練兵の日々を感じとれる。私が観劇した日はカンチョーだったけどレア日なの?ランダム演出らしいよねここ。

・おばかコンビ
対人訓練のあのポーズ。それだけで摂取出来る養分がある。

・街はダンス、村はアクロバット
ジャン、マルコ、コニー、サシャという順番でダンスからアクロバット比率が増す感じ。
サシャの星波さんの身体は本当に気持ち良く動くよね。アクロバット=狩人な感じもあってとても良い。ジャンのダンスが得意な感じはシティボーイみもあるので、演出で意図していなくても観る側はニンマリしてしまう。

これは余談で長年個人的に持っている疑問だけど、トロスト区ってそこそこ街のイメージなんだけど日本の街でいうとどれぐらいの感覚なんだろう。
あの世界、南の方が人が多そうだけど、北の方が格が高い感じがするので、京都や神戸だと北っぽい感じ。仙台、福岡あたりかなぁ。もっと大きいと名古屋とか?大阪程大きい街では無さそう。

・人との信頼以降、机と1番仲が良いジャン
端でいじけてるの不毛だけど笑っちゃう。

・ハンジさんの巨人授業
ここも大好き!机でステージを組んでいったり本を読み上げる動きなどテンポが良いのでとても楽しい。マルコの挙手、優等生だね。ここはそつなくこなす感じがまたキルシュタイン(BBAの妄言です

・ライナーにも聞いてみろよ
え!?あの戦士なのに兵士ぶってるライナーさん居るんですか?(早く出してください

・知性巨人たち
ライオンキングみたいなアレは私がミュージカル弱者だからかこれで良いのか?と思いつつ、民衆からみると巨人の予測不能な動き的にこんなふうに見えるのかもなと。

・戦闘シーンのセリフ
歌にのせるところは気にならないんだけど、戦闘状況説明の台詞は、早口かつ全部詰め込んでいて緊迫シーンなので正直忙しない印象。全体的に原作を知らない人にすべてが伝わると思えない構成なので、ここもさらに大胆にカットするとどうだったんだろうというのは気になる。

この詰め込み感が気にならなかったのがシャーディス教官だけど、前半と後半はあまりに状況が違うので難しい。ラップ調に聴こえたり緩急がある人、特にキースとグリシャが心地よかった。
ただ全体的なテンポ感を考えると最適解だと思うのよね。

・アニメの声想像以上に慣れ親しんでいた私
前述のアルミンが結構声違うなっていうのと、同じぐらい違いを感じたのは喋るエルヴィン。
エルヴィンは最初喋った時、誰が喋ったのかわからないぐらい不思議な感じがしたんだけど、歌と出立ちの説得力がすごくて、エルヴィンの統率力や化け物感が垣間見え徐々にエルヴィンに惹き込まれる。カリスマ性や求心力、人を導く力は歌が1番説得力あるのかも。エレンとエルヴィンがまさしくこの枠。

・しかしピクシス司令…
舞台の改変としてはとても良かったんだけど、続きを勝手に期待してしまうオタクとしては、駐屯兵団の要の不在は今後どう演出するのかと考えてしまうよね。イアンもリコも大好きだし。穴を塞ぐ手前の「俺たちの戦いはこれからだ!」って感じで人類が初めて巨人に勝つ前に終わったけど、あのリコの煙弾シーン大好きなんです。死んだかいがあった所。でもこの大胆な改変が無いとハンジさんの巨人授業も無かったと思う。
氷解のゆっくりとおやすみくださいで泣いちゃう。Get back!Get back!(唐突なBarricades大好きマン

・アッカーマンはちょっと熱高め
でも実際はあれぐらい声を張り上げる場面でもあると思うのでアリ。

・グリシャとエルヴィン、サイコパスみ増し増し
全体のテンポが目まぐるしいなかで、比較的どっしりと話す2人なんだけど、展開は次々におそいかかるのでなんだかすごい人感が浮き彫りに。

・リヴァイに言及しなさすぎる私
ここまで皆が一番心配するリヴァイさんへのコメント無さすぎですね。誤解を恐れず告白すると、初期はずっとリヴァイの人気がわからなかったんです。兵長好きと相反する可能性があるけど、負傷してからようやく兵長の魅力をきちんと理解できた感覚があるんです。リヴァイはずっと人への情が深い人で、捧げた心臓と彼の行く末にこれ以上のものは無いなと思ったらすごく好きになってしまったんです。
前述、アッカーマン熱めと言いましたが、ミュ版リヴァイが最後まで行き着くともうリヴァイの物語に見えるだろうけどそれはそれで面白そう。

・19歳(〜22歳)104期をいつか!
それは私が19歳ジャンがとても好きだから。(私利私欲)初期からジャン推しなんだけど19歳を見て拍手ですよ。
あと高月さんは素顔のショートがマーレ編以降のミカサみが強いので、今回の初期ミカサより19歳ミカサがよりミカサなんじゃないかなという期待も。
他のメンツもどう研究して役作りしてくるのかを観てみたい人ばかりだし、マーレ側もアンサンブル来たらそれこそ感情ぐちゃぐちゃだと思う。コニーの中西さんは身長を伸ばすのはさすがに難しいだろうけど、体格がしっかりな感じが良い方向にいきそうだし成長を遂げて化ける姿をみてみたい。
ジャンとコニーは成長の仕方に差異がありそう。ジャンはひたすら縦に伸びるのが早くて、生えたての髭の頃にようやくガッシリしてくる感じ。コニーはわりとしっかりした骨格が先に作られてから伸びる感じ。(度重なるBBAの妄言がひどい
私が比較的コニータイプだったんですよ。(幼い頃は小さかったけど、皆が成長止まる頃に地味に背が伸び続けて今はわりと大きめな方

・完全な蛇足、進撃世界のキャラ骨格診断
二次元絵だと進撃世界の人ってウェーブっぽいですが、キャラごとにみるとこうなんじゃないかな?っていうのがあってそこらへんが演者さんと相性良かったのかなと。(各々の俳優の骨格診断結果は知らないので超無責任です)
主要キャラの私が抱いていたイメージは下記。

エレン→ストレート
ミカサ→ナチュラル
アルミン→ウェーブ
ジャン→ウェーブ
マルコ→ストレート
コニー→ストレート
サシャ→ウェーブ
ハンジ→ナチュラル、ウェーブミックス
リヴァイ→ナチュラル、ストレートミックス
エルヴィン→ストレート

ついでの104期生他は以下。

ライナー→ストレート
ベルトルト→ウェーブ
アニ→ストレート
ヒストリア→ウェーブ、ストレートミックス
104期ユミル→ナチュラル

・総括
非常に長くなりましたが、とても良いものを観ました。関わった皆様に感謝です。とにかく続きを期待したい作品です。最後まで…!頼むマジで。本当に観に行けて良かった!締めるのが下手!キャストコメントのハンジさん並。ディレイ配信を終了まで堪能します。

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