やりたいアプローチで学ぶのだ

宿題をやるとき、嫌いな教科から片づけるか好きな教科から始めるか。
効率のためには好きな教科から始めた方がいいらしいが、結局は時と場合による。

私はといえば、そもそも宿題そのものがいやだったので、のばしてのばして、日付が変わったあたりでやっと手を付けるタイプだった。計画性などない。そんなんだったので小学生のころからろくに睡眠がとれず、成人した今でも身長が150cmを超えたくらいで一喜一憂する羽目になっている。話が逸れた。

そんな私でも大学に入った。「まだ大人になりたくない」という我ながら最悪な理由がはじまりだったけれど。大学で曲がりなりにも学んだおかげで、「学ぶこと」への大きな価値をやっと意識した。

教授から聞いた話だが、ある研究室では教授が突然
「今から君はタイへ行きなさい」「空気だけ吸って帰ってこい」
と学生に指導してくるそうだ。そんなん指導になってないwとツッコミを入れたくなるが、ようは自分の持つ文化や常識が通じない場所を知れということ。知らなかった世界のにおいをかぎ、自分の視野がいかに狭いかを自覚しろ、ということらしい。

とはいえ、働くでも、旅行するでも、寝転がるでも、なんでもいい。学びは自由なすがたをしている。
見るだけで、聞くだけで、嗅ぎ、触れるだけで、「学び」を得た気分になれる場所。自分の輪郭がはっきりしてくるようで、身の回りのすべてと一体であるように錯覚できる環境。そんなところに身を置けたら幸せだ。身を置くだけで満足するんじゃなく、動く。自然と心が向かう、自由になれるところへ。
そのときこそ、はじめて素直に学べるようになるから。

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