ヒューマン・スタジオ20年史(前編)
※2020年度と2021度の2年間、メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』のバックナンバーから厳選した100本の掲載文(コラム)を転載してきましたが、昨年度からは『ごかいの部屋』掲載文にかぎらず過去(原則として2年以上前)に書いた文章を毎月1~2本、時系列に転載することによって私の自称 “体験的不登校・ひきこもり論” の進展をたどりながら理解と対応の参考にしていただけるよう進めています(執筆時から年数が経っていることで修正する場合があります)。
※今月は、先月転載した設立20周年記念イベント関連の記事を受けて、私がやっている不登校・ひきこもり相談室「ヒューマン・スタジオ」(ヒュースタ)の歴史を振り返る2年前の文章を2本転載します。不登校・ひきこもり相談員としての私の歩みと、相談・支援の側が不登校/ひきこもり状態への理解増進と対応のスキルアップの重要性を理解する参考にしていただければ幸いです。
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外部の関係者へ広がるヒュースタの研修
先月開催した当スタジオの設立20周年記念イベント初日は、まさにちょうど20周年当日だったこともあり、第1部を「ヒュースタのまる、20年を語る」と題したひとり語りのコーナーとしました。
このなかで私は、20年のおもな成果として3点を挙げました。そのうち1点は次のようなものです。
>2017年から連続講座「ヒュースタゼミナール」(ヒューゼミ)を毎年度通年で開講し、今年度の後半から「藤沢市社会福祉協議会」でコミュニティソーシャルワーカー(CSW)の現任者研修に採用されることになった。
私が長年の不登校/ひきこもり状態への家族相談や家族会の業務と、近年ときどきご依頼いただく研修講師の仕事を通じて、相談業務関係者による不登校・ひきこもり対応、特に家族への対応が不十分だと感じ、構築してきた本人理解のあり方や家族への対応の理念とスキルを伝えたいという思いでヒューゼミを初開講したのが2017年度。
その初年度には支援活動を志望する方が受講者の過半数を占めましたが、翌年度以降は毎年度親御さんがほとんどという状況。定員6人中、本来対象に想定していた関係者や志望者は毎年度おひとりくらいでした。
他方、私の存在が地元の藤沢市社会福祉協議会の目に留まり、今年(転載者注:2021年)から毎月1日+αというペースで面接相談やCSWへの助言をやらせていただくようになり、ついには前記のとおりヒューゼミをCSW研修としてやってほしいと依頼され、今月(転載者注:2021年11月)から全6回の日程でスタートします(カバー画像)。
ヒューゼミはまた、家族会「しゃべるの会」の逗子会場を見学してくださった逗子市と葉山町の社会福祉協議会の方々にも注目されており、次年度以降支援者研修として採用する団体が増える兆しがあります。
ほかにも「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が毎年選ばれている助成事業「厚労省社会福祉推進事業」で、今年度の研究テーマ「ひきこもり支援の人材育成」のメンバーとして議論しながら “モデル研修会” での講義やテキスト執筆を分担することになっているほか、同団体が開催する今年の全国大会で「人材育成」をテーマとする分科会でも話題提供者をつとめます。
(転載者注:元文章ではここでKHJの全国大会とオンライン研修会のリンクを貼付)
当スタジオ設立から20年、構築してきた不登校・ひきこもり対応の理念とスキルが、ようやく関係者に広まり始めました。この流れを加速させるため、当事者経験者や家族の方には不登校/ひきこもり状態への理解と対応のあり方についてご意見をいただきますようお願いするしだいです。
初出:メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』第255号「当方見聞読」(2021.11.25)
<後編に続きます>
不登校・ひきこもりに関する研修費に充て、相談支援のスキルアップと充実したメルマガ掲載文執筆に還元させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。