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〔親の言葉から⑤〕「いつまで同じことを続けなければならないの?」(前編)
親が期待するとき
サッカーのJリーグが開幕することが決定しました。不登校/ひきこもり状態にある人たちのなかにも、楽しみにしている人がいるでしょう。
サッカーと言えば、4年に1度のワールドカップ。前回はちょうど2年前のこの時期に日本代表チームの活躍を観ながら楽しく過ごし、感動した不登校・ひきこもり状態の人たちがいたと思います。
でも、その人たちのその後はどうだったでしょうか。
「選手たちに刺激を受けて」「選手たちにもらった勇気で」・・・と期待をかけたが、やっぱりダメか・・・。
「徹夜で応援してますます生活リズムが・・・時差が憎い!」(10年前の大会の場合)
・・・このような思いを持たれた親御さんが少なくなかったのではないでしょうか。
私はこれまで、不登校/ひきこもり状態の<見方>を野球にたとえてお話しすることがありますが<プロセス>はサッカーのほうが似ています。
というより、そもそも野球は「攻め」と「守り」をはっきり分けて交互に行なうという点で、特殊な競技です。
サッカーの試合は「攻め」と「守り」がひんぱんに入れ替わり一進一退の攻防を繰り返すことが常ですから、観ているほうは一喜一憂しながら、そして「いつになったらゴールする(1点入る)のか?」とジリジリしながら、90分間息つく暇なく注視していなければなりません。
サッカーの試合のようなプロセス
不登校/ひきこもり状態も同じように「落ち着く/荒れる」「行動的/沈滞」など、まったく違う状態や言動(発言と行動)が入れ替わり表れ、まさに一進一退の時期が長く続きます。
「野球は観るけどサッカーは観ない」という方のなかには、このような「点がなかなか入らない」「一発逆転の場面がない」というサッカーの特徴を理由に挙げる人が少なくないように思います。
まるで、不登校/ひきこもり状態にある人たちの親御さんのお気持ちのようです。
たとえば、冒頭に挙げた「ワールドカップを楽しんでいる→動き出すきっかけになるか?→ダメだった・・・」という例のように、わが子に一発逆転(一念発起)を期待しながら、一進一退の攻防(≒良くなったり悪くなったりの繰り返し)が続いて点がなかなか入らない(≒動き出さない)ことがじれったい――というお気持ちです。
まして、精神科医やカウンセラーや相談員などから、毎回穏便な対応(「見守っていて」「○○はしないで」「○○だけは続けて」など)を指示されている親御さんは「話したいのに余計なことは言うなと止められている」「指示された対応を毎日繰り返しているだけ」など、ますますじれったい状況に置かれていることになります。
そうなると、前号でお話しした場合とは逆に「もっと話したい」「もっと働きかけたい」と思っているのに、わが子のためと我慢しながら過ごしている・・・といった親御さんが少なくないことでしょう。
そこで今回取り上げた言葉です。
<後編に続く>
不登校・ひきこもりに関する研修費に充て、相談支援のスキルアップと充実したメルマガ掲載文執筆に還元させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。