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通学してれば安心か(後編)

〔 今補足したいこと 〕 学校のパラドックス(逆説)

 不登校の原因と言えば、昔は「学校場面への不安などから起こる情緒的混乱」という、いわゆる「神経症的な心のメカニズム」によるものが圧倒的でした。

 ところが現在では「いじめ」が最も多いというデータを見たことがあります。「いじめられているため、学校に通い続けることが困難になった」というものです。

 ところが世の中というのは不思議なもので、いじめっ子は学校に通い続けているばかりに、大して問題にされず、反対に不登校児は、常に問題にされ騒がれて、治療や矯正の対象にされるのです。

 かくして、学校はいじめっ子は通えるのに、いじめられっ子は通えない場所になりつつあります。

 学校は「通わなければ健全に成長できない」と、多くの人が信じている場所です。しかし、いじめられている子にとって学校は「通わない方が健全に成長できる」場所だと言っても過言ではありません。

 学校が、いじめられていても我慢して通い続けなければならない場所だとしたら、学校とは何と理不尽な存在なのか、という視点を、いじめが原因で不登校になった子どもたちは求めていると思うのです。

初出:メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』第11号(2002年12月18日)

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※今回の文章は、別媒体に掲載したさらに過去の記事を紹介して補足を加えるという、特殊な構成です。掲載文で紹介したのは今から31年前の記事で、掲載文じたいも今から20年前に書かれたものです。当時の状況がうかがえる内容ですし、いじめと学校の関係は今も変わらず「いじめられた子が不登校や自死で学校を去っているのにいじめた子は学校に残っている」というのが異常な状況であると気づけない学校関係者がいたるところに存在しているのは30年経っても変わらないままです。この現状を皆様はどうお感じでしょうか。

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