屋台の焼きそば

屋台の焼きそばって無性に美味しそう。

自分の家で同じように作ってもあんなに美味しそうには見えないけど、やっぱり屋台が出るような時は、お祭りとか、なんらかのイベント事をやってて、気分が高揚してるから美味しく見えるんだと思う。

おそらく、仮に屋台のおっさんを家に呼んで、同じ材料で焼きそばを作らせても、
「なんか違うなぁ」
ってなりそう。

さらに、屋台のおっさんが、家でも屋台のテンションで
「はいよー!焼きそばうまいでー!どや!」
とか来られたら、
「家でこのテンションしんどいなぁ」
ってなると思う。

屋台の焼きそばがうまそうだからといって、屋台のおっさんを家に呼ぶのは危なそうだ。

それにきっと屋台のおっさんは、焼きそば作り終わっても、家に居座る。

たぶん、引き出しとか勝手に開けるし、僕の知らないおっさんの友達を勝手に呼びそう。

めんどくさい。
早よ帰ってくれおっさん。

やっぱり屋台の焼きそばと、屋台のおっさんは、外で見るから良いんだと思う。

屋台のおっさんとは屋外でしか会いたくない。
屋内だと、ギリギリ体育館なら許せる。

もしくは人の家。

人の家なら、屋台があって、そこに屋台のおっさんがいても大丈夫かも。
ただ、友達の家に遊びに行って、そこに屋台のおっさんが居たとして、友達が屋台のおっさんの事を完全に無視していたり、とてもキツく当たっていたら、それはそれで屋台のおっさんがかわいそうになる。

「ウマイヨウマイヨー」

と、消え入りそうな声で鳴きながら見つめられたら、家に連れて帰りたくなってしまうかもしれない。

でも、いざ自分の家に来たら来たで、屋台のおっさんが屋台のテンションで話しかけたり、勝手に引き出し開けたりし出したら、

「ごめんな、やっぱりウチじゃ飼えないんだ。
良いお祭りに出会うと良いな」

と言いながら、段ボールに入れて捨てると思う。
"48歳、焼きそば作れます。可愛がってください"
って、段ボールに書いてあげよう。

良い人に拾われてくれ。屋台のおっさん。


#エッセイ #コラム #想像 #屋台



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