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田中圭が超クセモノ刑事に『死神さん』

田中圭×堤幸彦監督が組んだ異色の痛快ミステリードラマ!Huluオリジナル『死神さん』の魅力を解説!

警察も真犯人も断罪! 再捜査専門の新感覚ミステリー

人気ジャンルがゆえに、目新しいものが生まれにくい「刑事ミステリー」。だがこの『死神さん』は、一味違う! 本作が取り扱うのは、「警察が生み出した冤罪事件」。田中圭扮する変わり者の刑事・儀藤堅忍(ぎどう・けんにん)、警察の捜査ミスによって闇に埋もれた事件を独自の視点で再捜査し、捻じ曲がった真実を解きほぐしていく。真犯人を追いかけていくミステリーの面白さだけでなく、「逃げ得は許しません――」と警察の怠慢な捜査を儀藤が徹底的に追及する痛快ドラマの要素も内包。組織に怖気付くことなく、絶対的な正義を貫くダークヒーローの生き様が実に魅力的だ。事件に合わせて、相棒が毎回替わる構成も新鮮で飽きさせない!

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こんな姿は観たことがない…全く新しい田中圭が顕現!

その姿を観ない日はないほどの人気俳優・田中圭。ごく普通の青年からぶっ飛んだキャラクターまで、その長いキャリアの中で演じられぬ者はいない実力派だが、『死神さん』で演じた儀藤堅忍は、「まだそんな引き出しがあったか」と驚かされるほどの異質な仕上がり具合だ。帽子を目深にかぶり、ロングコートで全身を覆い、ぺったりした長髪に鼻の頭に大きなほくろという、ファーストルックで強烈な印象を残す「死神」を怪演。極度の猫背で他人と目線を合わせずボソボソと抑揚をつけずにしゃべり、しかも話が長く一人称は「儀藤」。およそ田中のパブリックイメージとは180度異なる人物なのだが、異様な空気感に隠された強い正義感、ここぞというところで魅せる目力など、絶妙にハマっている。俳優・田中圭の新境地を開く、新たなダークヒーローが誕生した!

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堤幸彦監督の“TRICKY”な独自演出に酔う!

『TRICK』『ケイゾク』『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』など、既存の枠組みにとらわれない斬新なミステリーを次々と手掛けてきた堤幸彦監督。これまでにも魅力的な刑事モノを生み出してきたが、その最前線が『死神さん』だ。独特のテンポ感に、監視カメラ的なアングルと浮遊感の漂うカット割り、シリアスとコメディの狭間をすり抜ける空気感など、人々を熱狂させてきた“堤節”は本作でも健在。キャラが立ちまくった儀藤堅忍との温度差が楽しいやたらハイテンションな脇キャラたちや、濃すぎるエキストラも実に彼らしい。堤作品といえば音楽も重要だが、宮本浩次によるソリッドな書き下ろし主題歌「浮世小路のblues」とも絶妙に溶け合っている。

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text/SYO

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SYO プロフィール

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマ・小説・漫画・音楽などカルチャー系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。トーク番組等の出演も行う。Twitter:@SyoCinema


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