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いまこそ見どき!バスケアニメ特集

映画『THE FIRST SLAM DUNK』の大ヒットやFIBAバスケットボールワールドカップ2023も開催中!さらには日本人NBA選手が2人も活躍中の2023年。大人気マンガが原作の、日本のバスケアニメを特集します。

バスケといったらまずは『スラムダンク』

© 井上雄彦・アイティープランニング・東映アニメーション

国民的大ヒットマンガであり、バスケット人気の立役者にもなった『スラムダンク』。不良の桜木花道が、好きになった女の子がバスケット好きだったこともあってバスケ部に入部。完全素人だった花道は、徐々にバスケットそのものにハマっていく。

なにより魅力的なライバル、キャラクターたちが動いているのと、ダイナミックな絵の動きや演出は必見!

必殺技があるバスケ!『黒子のバスケ』

© 藤巻忠俊/集英社・黒子のバスケ製作委員会

登場人物たちの突出した才能を「必殺技」として描く少年マンガらしい作品が『黒子のバスケ』。
全中3連覇を成し遂げ、「キセキの世代」と呼ばれた帝光中バスケ部の5人の天才たち。そんな彼らが一目置く幻の6人目・黒子テツヤが、高校で新たな相棒と共に全国制覇を目指す青春バスケ漫画だ。
主人公の黒子はパス回しに特化した選手。持ち前の「影の薄さ」を生かし、さらに手品などで使われる技術の一つである「視線誘導」をバスケットボールに取り入れて描いたところがおもしろい。

対戦相手のプレーを一目見ただけで模倣できる能力や、コート内全てから3Pシュートを確実に決められる能力など、「それはさすがに無理があるだろう」と一瞬思う必殺技を持つキャラも登場するが、実際にNBAでは超長距離シュートの成功例などもあり、あながちファンタジーとも言えない。

しっかりと青春を描く『あひるの空』

©︎日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会 ・テレビ東京

バスケシーン以外にも、高校の部活で起こり得る人間模様を丁寧に描いている『あひるの空』。基本的にやる気のない、不良のたまり場と化した部活に、主人公の車谷空が入部。徐々に部員たちを変えていき、ともに闘っていく姿に胸が熱くなる。部活や恋愛だけでなく、指導者との衝突や、各部員たちの家庭の事情など、「そうそう、そこが見たかったんだよ!」という青春の清濁が描かれる。

『あひるの空』は、いままで多くのスポーツマンガが避けてきた、青春時代ならではの不穏分子、たとえば家庭の問題や人間同士の衝突、モチベーションのバラつきなどに真正面から向き合った快作だ。バスケットに取り組む描き方も非常にリアルで、体格や能力に合わせたプレーを追求するなど、実はリアルに部活動に勤しむ世代には学ぶことが多い。

バスケアニメの見どころ

実はバスケットボールというスポーツは、サッカーほどコートが広くないので、だいたいコート上のどこにだれがいるのか掴みやすいという利点がある。また、野球のようにピッチャー対バッターという構図に陥らず他の選手が置き去りにならないという点も見どころが多い。ワンプレーごとに選手たちの背景や思惑がアニメでは表現されるので、ドラマとしても見どころが多いのだ。

アニメ制作陣はこういった事情を踏まえて演出や作画を工夫しているので、アニメとして面白いものばかりだ。ぜひ一作でも視聴してほしい!

Text/サンキュータツオ

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サンキュータツオ プロフィール

1976年東京生まれ。漫才コンビ「米粒写経」として都内の寄席などで活動。
早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了。
アニメ、マンガなどを愛好しており、二次元愛好ポッドキャスト「熱量と文字数」を毎週水曜日配信。「このBLがやばい!」選者、広辞苑第七版サブカルチャー項目執筆担当者。一橋大学などで非常勤講師も務め、留学生に日本語や日本文化も教えている。Twitter:@39tatsuo


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