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UKLO2021R1-3 ワアマ語 解説

The UK Linguistics Olympiad 2021 Round1 (Breakthrough, Foundation)
Problem 3. Waama
ジャンル:統語・対応
難易度:☆2
問題・解答は Past exam papers より引用。

UKLO2021R1-3

文対応

各文はすべて直説法・能動態・過去形で、そんなに語形変化は考える必要がなさそう。 初手は固有名詞から考えるのが分かりやすいか。

この2ペアは間違いないだろう (固有名詞があること以外にも、この2文だけ重文になっているということも共通している)。

よく観察すると、選択肢Jには"he"と"his"が入っており、 文1には代名詞と思しき"o"が2個入っている。ここで、主格と属格を区別しないのではないかという仮説が立つ。 さらに文12にも"o"が入っていることから、三人称単数の性別は問わないのだろう。

さらに属格の語順について見てみる。 選択肢Jでは"Tchando's father died"となっていて、 文1では"Cando kpento kpi"となっていることから、たぶん"father"="kpento"で、 属格名詞+名詞の形だろう (推測の域を出ないが、属格名詞と修飾される名詞の間に動詞が割って入ってくるとは考えにくい)。 となると、だいたい対応関係が分かったことになる。

"car"="suka"となり、さらに語順もSVOとなるのではないか。 重文はこの2個だけなのでどうでもよいが、 "and"と"but"がどちらも"ǹ"に対応すると考えられる。 だとすると、対応関係はさらにこうなる。

固有名詞を含んだ文はもう1組ある。

おおよそこんなところだろう。 先ほどの「代名詞において主格と属格を区別しない」という仮説が真であるのならば、 "N"="I"or"my"だろう。"N"と"yete"(="house")を含んだ文は非常に多いので、 これだけわかれば後は十分なはず。

総評

表とか色付けとかめんどいので残りは書かないが、 丁寧に対応関係を見ていけば、決め打ちした部分が正しかったことがわかる。

初手固有名詞(重文でも可)が最適解な気がする。 特徴的なものから抑えていくのは対応問題ではセオリー(特徴的なものがなければ頻度分析)。 文型さえ分かれば簡単か。

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