良かった作品 2021年8月
紹介 / 感想を書きます。
シロナガス島への帰還
https://tabinomichi.jp/shironagasu/
絶海の孤島『シロナガス島』を舞台としたミステリーアドベンチャーゲーム。クローズドサークルで次々と起こる不気味な事件。ホラーな要素はあるものの、ヒロインとのどたばた劇が良い感じに怖さを中和してくれる。
ヒロインの子が思った以上に可愛い。メカクレ長髪でおどおどしながらも気心しれた人には我を通す感じ。言葉遣いがまあまあ粗雑なのも刺さる要素だった。ゲームの内容も500円にしては大ボリュームで大満足。良いインディー感があるゲームだった。セーブはこまめにしたほうがよいです。
Chaos;Child -Children’s Revive-
CHAOS;CHILDのトゥルーエンドのその後を描いた小説。メインライターが書き下ろしたもので、正統な続編、というか完結編だった。この補完によって初めて、物語が完成したと思えるほど完璧な後日談だった。
有村雛絵さんと香月華さんの関係性が本当に良かった。異常な世界だったゆえに仲良くなった2人が、普通の世界に戻った後も普通のなんてことない友達になっているということの良さ。
息吹
テッド・チャンのSF短編集。それぞれの話で魅力的なSFガジェットが登場し、それがあるとどうなるかを追求することで物語が生成され、そしてラスト、結論、結末がどれも本当に良い。技術的な発想から生まれる倫理的な葛藤がストレートに分かりやすく描かれる。『予期される未来』『オムファロス』あたりが特に好きだった。
魍魎の函
京極夏彦の長編推理、伝奇小説。百鬼夜行シリーズの第2弾。後味はまあまあ悪いが、狂気と論理が両立してる感じが面白かった。あとはやはり別々の事件が一つに繋がっていくやつは伏線回収的な気持ちよさがある。
人間たちの話
突飛でキャッチ―な設定が面白いSF短編集。「宇宙生命とのファースト・コンタクトは探査機による発見ではなく会議による認定だろう、という個人的確信にもとづいて書かれた宇宙生命SF」と銘打たれた表題作が特によかった。
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